Inerk's story 18 "Inerk's vacation"

【前回までのあらすじ】
日系米国人のイナークは米国陸軍レンジャー、デルタ部隊勤務を経て、NATOの特殊作戦部隊Rainbowに従事していた。
しかしテロリスト達との殺伐した闘い、殺し合いの日々に疲れた彼はRainbow部隊を退役。
SP勤務時に経験した超小型核爆弾の幻覚や、過去や来世(?)の闘いの記憶に悩まされながらも、市警のS.W.A.T.のエレメントリーダーとして勤務していた。
装備改編でG36Cを入手したイナーク達にステチコフ・シンジケートの本拠強襲という過酷な任務が与えられた。
40数名の武装したシンジケートのメンバーを一掃したイナークだったが心身ともに疲労困憊し、溜まった休日を取りゆったりとした休暇を楽しむ事にした。




      ------------ イナークの休日 -------------

俺の名はイナーク。市警のSWATでチームリーダーを務めている。

ステチコフ・シンジケートのアジトを強襲し、ボスのトドル・ステチコフと兄のキリル・ステチコフを逮捕、大量の武器を押収した任務は大きな波紋を呼んだ。

FBIやATF(アルコール・タバコ・火器取締局)は市警の独断専行を強く批判し、シンジケートの兵隊達の死傷率の高さ(40名中36名が死傷)についても無用の殺戮だったのではないかとの批判も出た。

もっともそれは市長や市警のお偉方とFBI・ATFとのパワーゲームに過ぎず、任務を達成した我々SWATチームにとっては、無関係とは言わないが雲の上の話だ。

負傷とは言わないまでも抗弾ベストの上からショットガンの射撃を受けた俺は、たまっていた休暇をまとめて取ってしばらくのんびりと休養させて貰う事にした。

俺の休暇期間中は隊長が俺のチームの面倒を見てくれるそうだ。
ありがたい話だがまた借りを作ってしまったので後がちょっと怖い。

俺は休暇の初日をイーストサイドのマンションの自室でゆったりとくつろいでいた。
CATVで映画やニュースをぼんやり見て過ごす...最高の贅沢だ。

CNNでは南アフリカのプレトリアで発生した市民暴動のニュースが流れている。
と、玄関のチャイムが鳴る。

サイドテーブルから護身用のM92Fを手に取って玄関のドアに向かう。
誰かが最近の任務絡みで恨みを持って訪問してもおかしくない状況だ。

『どちら様です?』 ドアの脇に身を逸らせて訪問者に呼びかける。

『俺だよ。リードマンだ』 リードマン..リードマン少尉!?

ドアを開けてかつてのレインボウの同僚、リードマン少尉を迎え入れる。
いや、陸軍の徽章は彼が中尉になった事を告げている。

『久しぶりですね。リードマン中尉殿』 ちょっと茶化して敬礼して見せる。

『中尉殿は止めてくれ。時間がないから制服のままだが本当は私服で来たかった』
苦笑するリードマン中尉。

『時間が無いとは?』 俺は聞きながら冷蔵庫からビールを取り出しにキッチンへ...

『すぐ身支度してくれ。空港に空軍のガルフストリームを待たせてある』

『は?』 思わず目が点になる。

『クラーク将軍から非常呼集だ。数日間レインボウに復帰して貰う。市警上層には
 話を通した。南アフリカへ飛んでくれ。
 プレトリアの市民暴動だがテロリストによる扇動の疑いがある。南アフリカ大統領の
 誘拐計画が進められているようだ』

『リードマン中尉。俺はもう引退した身ですよ。それにレインボウは解散した筈じゃ
 ありませんか』

『国家が戦争レベルでテロに立ち向かった結果がイラクの泥沼だ。テロ対策にはもっと
 外科手術的な繊細な手段も必要だと大統領もようやく気づいたらしい。
 資源が豊富なプレトリアとNATO諸国は良好な関係でいたい。
 テロリストが関わっているとなると市民暴動が軍事クーデターに発展する可能性もある
 内戦となれば内政干渉になるから表立っては動けん』


『そこでレインボウの再編って訳ですか』
俺はまた厄介事に巻き込まれるらしい。

『そういう事さ。今回出動可能なメンバーは旧知のロイゼル以外はほぼ新人ばかりで
 修羅場をくぐったチームリーダーが必要なんだ』

『俺はもう錆付いてますよ。他の元メンバー、そうイーグルワンとかを当たった方が
 良いです』
と貧乏籤を他人に譲る作戦に出る。

『一昨日のステチコフ・シンジケート撲滅の武勇伝はもう耳に入ってるよ。悪あがきは
 止めて支度をしてくれ』
苦笑しながらリードマン中尉が告げる。

どうして俺は頼まれると断れない性格なんだろうなぁ...
『15分時間を下さい』

1時間後、俺は空軍のガルフストリームの機上で任務関連のファイルを読んでいた。
今回の他のチームメンバーは旧知のロイゼルと、新人のレイモンドとヤコビーの三人だ。
驚く無かれ、レイモンドとヤコビーの二人は女性隊員だ。
どちらもNATO加盟国から派遣された優秀な特殊部隊隊員。

本来、初顔合わせのメンバーでチームを組んでの特殊作戦など無謀極まりない話だが、レインボウの訓練を受けた者は違う。
各自が求められるポジションで求められる役割を確実にこなす。

何度か空中給油を受けながら地球を半周してガルフストリーム機は南アフリカのプレトリア空港に到着した。
なおも続いている市民暴動と、囁かれる軍事クーデターの影響かほとんどの航空機会社は運行を中止しているようだ。

空港の駐機場の格納庫で俺はロイゼルとレイモンド、ヤコビー達と合流した。
驚いた事に旧知の歴戦パイロット、マロイがMH-60G、ペイブホークと共に俺達を待っていた。

MH-60Gは特殊作戦支援用に改良されたブラックホークタイプの最新鋭ヘリコプターだ。
米国政府の今回の任務に対する気合の入り方が判る。
もちろん南アフリカの利権の維持が目的だろうが...

指揮官のレインボー・シックスことクラーク将軍はイギリスのヘリフォードの基地から衛星回線経由で作戦の指示を行うとの事。
クラーク将軍から受けたブリーフィングは余り喜ばしい物ではなかった。
残念ながら我々の到着は数時間遅かったようだ。

南アフリカのヤレド・ブルム大統領と側近のパトリックアダムスの乗ったリムジンは、市民暴動を避け警察車両の護衛と共に安全な地域への移動を図った。
しかし市民を装ったテロリスト集団に襲撃されてしまったのだ。
護衛の警察車両の何台かはRPGの直撃を受け炎上。警官隊は全滅した。リムジンは奪取され、テロリストの集団と共にプレトリア最大の銀行前に移動したのが確認された。

銀行から脱出した行員の話ではヤレド・ブルム大統領と側近のパトリックアダムスは金庫室に監禁され、銀行周辺と内部はテロリストに征圧されているようだ。

最悪な事にこのタイミングを見計らったかのように軍の一部の師団がクーデターを起こした。
国内は戒厳令が布かれ混乱の極み。
どうやらテロリスト達は軍事クーデターを演出し、大統領と側近を人質にして金庫に無尽蔵に保管されていると噂される金塊を奪取するのが目的のようだ。

だがテロリスト達にも大きな誤算があった。
軍事クーデターは蜂起に連携を欠いた為、早々に政府軍に圧倒されつつあった。
銀行からの金塊の持ち出しに利用するつもりだった反乱軍の車両群が政府軍に阻止されたのだ。
連中は銀行のすぐ近くにある大型の立体駐車場から代替の車両の調達を図ろうとしている模様。

クラーク将軍は状況を素早く整理して以下の作戦を我々に指示して来た。

1. チームはMH-60Gに搭乗して、テロリストが車両を物色中の立体駐車場の屋上へ強襲降下。
  テロリストはRPGも所持している為MH-60Gは一旦空域を離脱して待機。
  チームは駐車場のテロリストを排除しつつ1Fの出口に向かう。
2. 駐車場からは地上を大統領が捕らわれている銀行へ向かって、公園を抜けるルートで移動。
  その際接触したテロリストは順次排除。
3. 大統領の車両隊が襲撃された地点を通過して銀行へ到達し銀行の周囲のテロリストを排除。
4. 銀行内に進入。銀行内部に潜伏するテロリストを排除しつつ、1Fロビーから出納室、2Fの
  事務室経由で金庫室へ向かい大統領と側近を救出。
5. 銀行内を制圧後、銀行の表通りに脱出。マロイの操縦するMH-60Gと合流して一気に離脱。
6. 後の銀行の金塊確保は政府軍に任せ、安全な空港へ帰還。大統領の政府軍による保護を
  確認後に任務完了としチームはイギリスのヘリフォードに帰還する。

チームの装備は市街地迷彩の抗弾ヘルメットに抗弾ベスト、手足にもプロテクター。
武装はFMJ弾のACOGスコープ搭載のG36C。リアガードのヤコビーのみM1S90ショットガン
各自がフラッシュ・バンと破砕手榴弾を携行。

サイドアームは各自が使い慣れたハンドガンを持つ。俺は今回はSOCOM Mk23を選択。

もはや一刻の猶予も無い。我々はマロイのMH-60Gに搭乗。
MH-60Gは建物群の屋上スレスレを戦闘速度で目標の立体駐車場へと向かう。
チームのメンバーはプロ中のプロ。誰一人無駄口を叩かない。
SWAT勤務で多少人間味を取り戻した俺にはちょっと物足りない気もするが...

目標の立体駐車場の上空へと到着。
マロイの芸術家的な操作で戦闘速度からホバリングへ一気に移行したMH-60Gから、我々は十数メートルのロープで一気に降下する。
チーム全員の無事降下を確認するとマロイは再び戦闘速度でMH-60Gを低高度で離脱させる。
OK。後でまた会おう。

『アルファ2。こちらレインボウ・シックス。大統領の救出には時間の猶予が無い。
  駐車場を制圧しつつ1F出口へ向かえ』
衛星回線経由のクラーク将軍の声だ。

マロイのMH-60Gの離脱を確認してチームメンバーの表情を見る。OK。いい面構えだ。
駐車場の屋上部分には車は無い。左の壁面に沿って屋根付きのエリアへ向かう。
ここは5F相当と言う事になる。

SWATでも使い始めたG36Cは手に馴染んで安心感がある。

屋根付エリアのバンのフロントに3名の武装テロリスト

『コンタクト!』 『ババン!』 レイモンドが宣言と同時にG36Cを発砲。
『バーーン!』 ヤコビーのショットガンだ。
バンのフロントに兆弾するが、かがんだテロリストは無傷。

俺はG36Cに搭載したACOGスコープを覗いて2名のテロリストをクロスサイトに捉える
『バババン!バババン!』 『バババン!ババン!』
バンのフロントグラスが砕け、2名のテロリストはバンの向こう側に倒れ込む。

まだ一人いるはずだ。スコープのサイティングを一旦外してそのまま前進。
『バーーン!』 『バーーン!』 ヤコビーのショットガンが威嚇するようにバンの後端に命中!
『ババババン!』 G36Cでも威嚇射撃を送り込む。
隠れていた3人目のテロリストはそのまま後方のワゴン車の影へ走りこむ。

奴が隠れたワゴン車の窓越しにG36Cの5.56mm弾の連射を送り込む。
『バババババン!ババババン!』 砕け散るサイドウィンドウ。後方の壁面の消化ホースのケースが半開きになる。
警戒しつつワゴン車の後方から回り込む。OK。テロリストはあの世行きだ。

傾斜路を下って駐車場の4Fへ向かう。傾斜路と駐車スペースの角で後続のチームメンバーを確認。OK。
カッティングパイのセオリーで徐々に4Fの駐車場スペースを視界に入れる。
駐車場の照明は薄暗いが戦闘に支障は無い。セダンの影から柱の影へ移動する人影。
『畜生!襲撃だ!』 仲間へ向かって叫ぶテロリスト!

レイモンドが俺の左へフォローに入った。
広域の監視は任せて柱の人影をACOGスコープで捉える。
『バババン!』 G36Cの5.56mm弾が人影に吸い込まれ後ろへのけぞって倒れる。
マガジンは弾切れ。一旦壁の影に隠れてマガジンを交換する。
俺がマガジンを交換する間、レイモンドが壁から半身乗り出して駐車スペースを監視。
いいチームワークだ。

マガジンを装填。再び壁から身を乗り出して索敵。いた。先ほどよりさらに左の柱!
『バババン!ババババン!』 『バババン!バババン!』
柱の手前のワゴン車のリアガラスを撃ち抜く形で柱の影のテロリストに5.56mm弾を送り込む。
『ぐあぁぁぁ!』 悲鳴を上げて倒れるテロリスト。

『パパパパパン!パパパパン!』 UZIの発射音と共に我々の周囲と壁に兆弾!
最初のテロリストがいた柱の影にもう一人いたらしい。
柱の影から出て完全に身を晒した状態。
『ババババババン!バン!』 テロリストは駐車場の床に前のめりに倒れる。

見た所4Fにはもうテロリストの姿は無い。前進しながら念の為柱の影が見渡せる位置へ移動。
OK。柱や車の陰に人影は無い。そのまま右側の壁面まで移動して3Fへの傾斜路をチェック。

階下へ降りるには傾斜路を通らず可能な限り階段を使えば時間の短縮になる。
3Fへ続く階段のドアへ歩を進める。
と、そのドアが開いて2名のテロリストが走り込んで来た!
先頭のテロリストにACOGスコープの照準を合わせ...

『ババババババン!』 G36Cの5.56mm弾が吸い込まれる。『うぉ!』 よろけるテロリスト。が、
『バーン』テロリストはライフルで反撃してバンの影に転がり込む。くそ、抗弾ベストか。

『ババババン!』 『うわぁぁ!』
『敵を排除』
後続のテロリストはレイモンドが射殺した。

一気に距離を詰めてバンの背後へ。
『バババババン!』 『バン!』 威嚇射撃にテロリストはたまらず飛び出す。
後を追い抗弾ベストの無い頭部を狙って...
『バババババン!」 『ぐわぁぁぁ...』 テロリストは前のめりに倒れる。
OK。今度こそ4Fはクリア。

チームメンバーの3人とアイコンタクトを交わして階段への通路へ向かう。
通路を駆け抜け角を曲がると階段。
登りの階段は軍事クーデターの際の砲弾の着弾で炎上しているが、下りの階段は無事だ。
伏兵に警戒しつつ階段を下る。
3Fだ。駐車場エリアに向かって通路を進む。
角を曲がった突き当たりにはロックされた金属製のドア。ドアの枠は木製だ。

ヤコビーのマスターキーことM1S90ショットガンでドアの蝶番を破壊、フラッシュバン・グレネードを投擲して突入する事にする。
『了解。配置に付きます』 ロイゼル、レイモンド、ヤコビーが配置に付く。GO!
『GO!』 ヤコビーが合図と共にドアの上下の蝶番をショットガンで吹き飛ばす。

ドアがそのまま駐車場内へ倒れる瞬間にレイモンドがフラッシュバン・グレネードを放り込む。
チームの全員がドアの方向から顔を背けその瞬間に備える。
『ズバーン!!!』 閃光と凄まじい爆発音が響き渡る。突入!!

3Fの駐車場も照明は薄暗い。駐車場の遥か奥の方から散発的な発砲音。
しかしドアの近くのテロリストは茫然自失の状態。
『ババババン!』 牽制射撃でテロリストが逃げ出す隙を狙ってトラックを遮蔽物にする。
『バババン!』 『敵を倒しました!』 レイモンドが逃げ腰のテロリストを射殺。

トラックの陰から身を乗り出して駐車場の左半分を見渡す。
いた。柱の照明で黒く浮き上がるテロリストの影。
G36CのACOGスコープで慎重に狙いを付け...
『ババン!ババン!』 バースト射撃で倒す。

カッティングパイのセオリーで徐々に身を乗り出して視界を広げる。
駐車場の突き当り、バンの前にしゃがんで銃を構えるテロリストを発見!
『ババン!ババン!バババン!バン!』 距離があったがG36Cの連射でテロリストは文字通り蜂の巣だ。
マガジンは空。マガジンを交換してコッキングハンドルを引いて初弾を装填
盾にしていたトラックの側面に張り付くように前進して駐車場の右半分にまで視界を広げる。

右手前、青いオープンカーの後ろにテロリスト!
『ババババババン!』 『うわぁぁ..』 一気に射殺する。トラックの陰から出てそのまま前進。
駐車場の右壁面に張り付く位置まで移動して、柱や車の陰の伏兵を捜索する。

『敵を正面に発見!』 『バーーーン!!』 ヤコビーがショットガンでオープンカーの陰にいた
テロリストを撃ち倒す。

一気にチームを前進させて掃討戦に入る。
2Fへ下る階段のドアの近くの柱から武装テロリストがゆらりと現れる。
同時に突き当たりの壁にもしゃがんだテロリスト!
『バババババン!』 右から左に射線をずらして銃弾で撫でるように柱のテロリストを倒す。
そのままさらに左にスコープのレティクルを移動させて壁のテロリストへ重ね...
『ババババン!ババン!』 テロリストはそのまま崩れ折れる。

『敵よ!』 レイモンドが警告!2Fへの階段のドアが開いてテロリストが駆け込んでくる。
『パパパパパン!』 同時にUZIの射撃が右手のワゴン車の背後から。

ドアのテロリストにレティクルを重ねてG36Cのトリガを引く。
『バババババン!』 丁度立ち止まって銃を構えたテロリストはほぼ全弾を受け絶命する。

一旦スコープから目を離し、ワゴン車の影の敵を探す。
『パパパパパン!』 UZIの射撃は続くが狙いを付けず、腕だけを出して撃っているようで弾は
あらぬ方向で火花を散らす。

射撃音でテロリストの位置を予想して...
『バババン!』 ワゴン車のサイドウインドウを撃ち抜く。弾切れ!マガジンを交換する。
割れたガラスの向こうに動く人影。当たってはいるが致命傷ではないらしい。
テロリストが立ち上がった!
『畜生クソッタレ!』 叫ぶ男の腹の辺りのサイドウインドウに向けG36Cのトリガを引く。
『バババババババン!』 砕け散るガラスと共にテロリストも倒れる。

ワゴン車の前方に回り込んで死体を確認する。
『エリア制圧完了』 ヤコビーが報告する。
チームに集合を掛け、2Fへの階段に続く通路に進む。通路の角を曲がった所で凄まじい爆発音と衝撃。建物が揺れるのが判る。
何てこった。政府軍と反乱軍の戦闘の砲弾が飛び込んで来たらしい。
このまま本格的な内戦状態になってしまう可能性もありそうだ。

幸い通路の先の階段は下りは無事。そのまま駆け下りる。
2Fの駐車場へ続くドアは瓦礫に押されて半開きの状態。中は崩れてとても通れる状態ではない。
どうやら砲弾は2Fの駐車場を破壊したようだ。少なくともテロリストは無力化されたろう。
このまま1Fまで階段を下る事にする。

1Fに着いた。駐車場への通路を進む。突き当りを左折。正面の駐車場へのドアは開いているが、内部は完全に照明が落ちている。先程の爆撃のせいだろう。
ゴーグルのIRナイトビジョンを作動させる。

腰を落とし、慎重に駐車場内に足を踏み入れる。
右を索敵。視界の大半はまだ壁に遮られているが、一台のセダンのボンネット越しに白い人型の影。テロリストだ。
向こうからこちらは見えない。しかし発砲すればマズルフラッシュがこちらの位置を相手に知らせてしまう。

ACOGスコープのレティクルを慎重に人影の頭部に重ね...
『バン!』 『うわぁぁぁ』 セミオートで狙撃。人影は悲鳴を上げて倒れる。
カッティングパイのセオリーを守り、徐々に駐車場の索敵範囲を広げる。
IRナイトビジョンでは柱や車などの陰のテロリストを探知出来ない...いた!
柱の左に背中を見せてしゃがんだ人影!

スコープのレティクルを人影の頭部に...
『バン!』 『ぐはぁぁ』 こいつも1発で倒した。

ほぼ全域が見渡せる状態だが他に人影は見つからな..いや。彼方のセダンの車体の下に白い塊が見える。伏せたテロリストか足だろう。
レティクルをセダンの車体と駐車場の床の中間に合わせてトリガを引く。
『バババババババン!』 のたうって倒れる人影。と、ずっと手前のバンの影から驚いたテロリストが飛び出して右に走り出す。

『ババババン!』 咄嗟に射撃を浴びせるが外れた。反撃しようと振り返るテロリストの頭部にあらためてスコープのレティクルを重ね..
『バン!』 『ぐわっ』 テロリストを撃ち倒した。弾切れ。マガジンを交換。

駐車場の遥か先。突き当たりの右のドアが出口だろう。
伏兵に注意しつつゆっくりと進む。と、右手のセダンで人の気配。タイヤの影に白い塊がはみ出ている。
G36CのACOGスコープのレティクルを重ねた瞬間、人影が立ち上がって発砲の構え!
『バババババン!』 奴より一瞬早く5.56mm弾の連射を送り込んでテロリストを倒す。

出口のドアに向かって駐車場の中央を進む。振り返ると3人のチームメイトがそれぞれ慎重に索敵しながら追従している。OK。頼りになる連中だ。
再び正面を向いた瞬間、それは始まった。

左手のトラックの陰から一人人影が駆け出し、右手の出口のドアから二名の人影が駆け込んでくる。
スコープのレティクルをオープンカーの向こうに立つ中央の人影に重ね、
『ババン!ババン!ババババン!』 フロントガラス越しに倒し、間髪を入れずに左手の人影へ照準。
『バババババン!』 これも倒す。

『バン!バンバン!』 右手の人影は柱の影から半身を乗り出して発砲。兆弾が周囲をかすめる。
奴はこちらのマズルフラッシュに見当を付けて撃っているはず...左へ横にスライドして奴の全身をレティクルに収める。
『バババババン!バン!』 弾切れ!しかし人影も崩れ落ちる。
マガジンを交換。コッキングハンドルを引いて初弾をチャンバーへ装填。

そのまま前進。左手のトラックの陰をクリアリング。OK。誰もいない。
駐車場の突き当たりの壁面に到達。右手の出口へ向かう。
床には先程倒した3人のテロリストの死体。

出口を出た。ここは照明が生きている。バイザーのIRナイトビジョンを切って通路を進む。
角を曲がると突き当たりに駐車場からの出口のドアが見える。
ドアに到達。振り返ってチームの合流を確認。OK。駐車場は片付いた。

駐車場を出た我々に衛星で任務をモニターしているクラーク将軍から通信。
『レインボウ・シックスよりアルファ2へ。市内を交戦しつつ移動して大統領が
 
捕らわれている銀行に向かえ』

路地を前進して公園の様子を伺う。
公園を抜けるルートを選択したのは視野を確保して、中距離狙撃での先制攻撃を狙ったのだが少々裏目に出た。
日本から寄贈された桜の木に据えられた石造りの台座や植込み、オブジェ群はテロリスト達にとって格好の遮蔽物となってしまっている。

公園の右手の桜の木の下にテロリストを視認!
G36Cに装着したACOGスコープのレティクルを左胸に重ね...
『ババン!』 バースト射撃でテロリストは仰向けに倒れる。

『パン!』 『パパン!』 我々の存在に気づいた連中が公園のそこかしこから散発的に撃って来る。
身を隠しながらの牽制射撃なので狙いは曖昧で今の所脅威には感じない。

距離があるので4倍のACOGスコープの利を生かし、狙撃で一人ずつ排除する。
先程の男よりも左手。オブジェの陰からマズルフラッシュが見える。
ACOGスコープのレティクルで覗くとオブジェの上からテロリストの頭部が露出している。
頭部にレティクルを重ねる。
『ババン!バン!』 男の頭部は赤い血飛沫を飛ばしてオブジェの陰に消える。

ここでもカッティングパイのセオリーを守り、右にそろそろとスライド移動して視野を広げる。
左手の桜の木の台座にテロリスト!
『パン!パン!』
発砲する男にACOGスコープのレティクルを重ねG36Cのトリガを絞る。
『バババン!バン!バン!』 男は仰向けに倒れる。倒れる男の背後から別のテロリストが立ち上がり右方へ走り出す。
『アルファ2へ。公園の角の建物に複数のスナイパーがいる。注意しろ!』 クラーク将軍だ。

走る男の姿は石造りの台座やオブジェに隠れて頭部しか見えない。だが...
『ババン!バン!ババババン!』 スコープのレティクルを移動する頭部に合わせて連射。
『ぐぁぁぁ!』 男は石造りの台座の横に転がり倒れる。

他のテロリストはなりを潜めた。この隙に前進して公園の周囲の建物の壁まで走り遮蔽物にする。
その時。『パンパン!パンパン!』 背後の建物の2Fから発砲音!!
『撃たれた!援護を!』 ヤコビーが叫ぶ。
振り返り窓のテロリストに素早くスコープのレティクルを重ねてG36Cを連射する。
『バババン!バババン!』 男は銃を持ったまま血飛沫を上げてのけぞり窓の中に消える。

他にもまだ階上にスナイパーがいるかもしれない。ちょいと厄介な事になった。
幸いヤコビーは抗弾ベストのお陰で無傷。建物の角から半身を乗り出して公園内の敵を索敵してくれている。
俺は左へスライド移動して再び公園内に潜むテロリストをカッティングパイで探す...
連中はなりを潜めた。こちらから動いて見せなければ駄目だ。

残弾の少ないマガジンを交換。突入に備える。
前方の桜の木の台座に向けて走り、陰に身を滑り込ませる。OK。敵の発砲は無い。
この位置から階上の他のスナイパーを捜せるかも...そう思ったときそれは起こった。

『ヒューーーーン』 『ズバガガガーーーーン!!』 政府軍と反乱軍との戦闘の流れ弾の砲弾が公園
の周囲の建物に誤爆。壁面の瓦礫がガラガラと崩れてくる。
『敵を視認した!』 ロイゼルが凄まじい轟音の中で叫ぶ。テロリストにとってもこれは予想外の事態だ。逃げ出す奴も出てくる。
『ヒューーーーン』 『ズバガガガーーーーン!!』 また別の建物が砲撃を受け瓦解する。
瓦礫の下敷きでくたばるのはぞっとしないな。
混乱に乗じてチームメンバーが俺が身を潜める桜の木の台座に集まる。

突き当たりの建物と建物の間の路地から武装したテロリストが飛び出してくる。
『パンパン!パンパン!』 俺のヘルメットを奴の銃弾がかすめる。素早くスコープのレティクルを合わせ..
『ババババン!バン!』 G36Cの連射で確実に撃ち倒す。

『バン!ババン!』
俺の左手をサポートしていたロイゼルが俺の右視野外の敵に発砲!
どうやら連中も全員が飛び出して来た様だ。
『ヒューーーーン』 『ズバガガガーーーーン!!』 また別の建物の壁面に着弾。
まるでレバノンだ。

俺は右にスライド移動しつつテロリストを捜す。
連中は爆撃の中での銃撃戦なぞ経験が無いはずだ。一気にケリを付けてやろう。

『ババババン!バン!バババン!』 『ズバーーン!ズバーーン!』 『パンパン!パンパン!』
レイモンドとヤコビーも爆撃に狼狽するテロリスト達と派手に撃ち合っている。
いい根性だ。いやクソ度胸か。
『目標排除!』 『敵を倒しました』 頼もしい報告が続く。

『パンパンパンパン!』 公園の左手の桜の木の台座にテロリストを視認。
『バババン!ババン!バン!』 すかさずサイティングして無力化。その時視野の左上に動き。

建物の3Fの窓にスナイパーだ!『バババン!バン!』 スナイパーを無力化!

『ババン!バババン!』 『目標を射殺した』 ロイゼルはいつも冷静だ。頼りになる相棒達。

『パンパン!パンパン!』 右手の石造りのオブジェにマズルフラッシュ。ACOGスコープで覗くとオブジェからテロリストの頭部がこちらを覗いている。慎重にサイティングして...
『ババン!バババン!』 G36Cの連射で男の頭部が吹き飛ぶ。

しばしの静寂。移動しながら周囲を索敵。右背後の建物の3Fにスナイパー!
『ババン!』 速攻でスコープのレティクルを合わせG36Cのバースト射で射殺する。
空になったマガジンを交換。コッキングハンドルを引いて初弾を装填。

『敵を視認!』 『ズバーーーン!』 ヤコビーが叫ぶと同時に俺の視野の左手の敵に発砲。
俺は桜の木の石の台座を右回りに回りこんでそいつを捜す。
いた!公園の出口の路地に向けて後ずさりしながら逃げるテロリスト。
『バババン!ババババン!』 奴はG36の5.56mm弾を喰らってそのまま後ろに倒れる。

OK。この公園はクリアだ。爆撃に巻き込まれる前にここを出よう。
公園の出口の路地に向け走る。路地はクランク状になって見通しが利かない。
路地の入り口で振り返って後続するチームメンバーの無事を確認し合流を待つ。OK。
再び向き直り路地を進む。

角を曲がった所で3人のテロリストと遭遇!!
距離が無いので腰だめにG36Cで掃射する。
『バババババン!バババババババン!』 『ぐわぁぁぁ!』『うわぁぁ!』
3人を一気に倒した。その先は大統領の車列が襲撃された表通りへと通じる路地。
振り返りチームメンバーの合流を待って表通りへと足を進める。

警戒しつつ路地を前進。
内戦の砲撃の誤爆かテロリストの襲撃の際かは判らないが炎上する乗用車が見える。
路地の出口の角で一旦停止。
チームの後続を確認してカッティングパイのセオリーで通りの状況を伺う。

通りの向かいの建物の入り口にテロリスト!素早くACOGスコープのレティクルを合わせトリガ
を引く。
『ババババン!』 『うわぁぁぁ』 戸口に倒れこむテロリスト。
周囲を監視しつつ前進。同じ戸口にもう一人武装した男が現れた。再びサイティング。
『ババン!バン!ババババン!』 『ぐはぁぁ!』
しゃがんで最初の斉射を避けた男をG36Cの連射でそのまま仕留める。

通りの周囲を警戒。破壊された警察車両群で道路は寸断されている。
地面に大穴が開いて警察のバンが転落している様子を見ると、テロリストは道路の下に爆発物を仕掛けて爆破し、大統領の車列を足止めして襲撃したようだ。

OK。もうここにはテロリストの姿は無い。2名の監視役が居た建物の向こうが目標の銀行の筈だ。
建物の入り口に踏み込み、反対側の出口を捜す。
あった。出口の向こうには銀行の正面玄関と大統領の乗っていたリムジンが見える。
出口のドアの左端に体を滑り込ませる。

『アルファ2!!バルコニーにRPGの射手を衛星で確認した!注意しろ!』
クラーク将軍だ。

リムジンのボンネットとルーフの向こうにテロリスト!
ACOGのレティクルをボンネットの向こうのテロリストに合わせる。
『バババババン!』 命中を確認。スコープから目を離してバルコニーを索敵。
いた!RPG-7を構えたテロリスト!
『バババン!』 咄嗟にACOGスコープで照準。RPGを発射される前に撃ち倒した。

リムジンのルーフの向こうに出ていたテロリストの姿はいつの間にか消えている。
リムジンの陰かそれとも銀行の壁面装飾に隠れたか...

『パン!パンパン!パン!』 リムジンの後方、白いセダン越しに3名のテロリストが発砲して来る。
遥か彼方の銀行の壁面装飾に半身を隠しながらの発砲だ。
距離があるため照準が正確ではない。俺の周囲で兆弾を繰り返す。

右端の一番近い奴にACOGスコープのレティクルを合わせる。4倍スコープでも半身を隠した目標は
決して大きくはないが...
『ババババン!』 外れた!しかし動揺したテロリストは全身を晒す。
『バン!バンバン!』 崩れ折れる目標。弾切れ!ドアの陰に身を隠してマガジンを交換する。

再びドアの戸口に戻ってACOGスコープで索敵。
あと2人いたはずのテロリストは一人のみ姿が見える。
左端の奴は道路の左側の路地へ逃げ込んだようだ。
『バンバンバンバンバンバン!』 G36Cのセミの連射で二人目を撃ち倒す。
視界のテロリストの姿は全て消えた。

ドアを出てリムジンの前方に回りこむように移動。チームメンバーも後に続く。
銀行玄関の周囲と道路全体を索敵。
リムジンの向こう、銀行の装飾された柱の陰にテロリスト!
『バババン!』 スコープのレティクルの中の男はバースト射撃で後ろにのけぞって倒れる。

『リーダー!目標多数。援護願います!』 ヤコビーが叫ぶ。
道路の突き当たりの右手の路地から新手のテロリストが現れた。5〜6名といった所。
さっき逃げた奴が増援を連れて来たらしい。

道路の真ん中に突っ立っていては連中のいい標的だ。しかし道路の左右の壁面に隠れる時間は無い。
ちと頼りないがリムジンの後方の白いセダンを遮蔽物にする為、道路を走る。

『パン!パンパン!』 白いセダンに達する前に右手の銀行方向から発砲音!
銀行の玄関の前の柱にテロリスト!
『ババババン!』 一瞬足を止めてテロリストをスコープに捉えバースト射撃。一気に倒す。

『パンパンパンパン!』 『パンパン!』 『パンパンパン!』
道路の突き当たりのテロリスト達から集中射撃だ。しゃがんで射線をかわし白いセダンの陰に入る。

『パンパンパン!』 『ガシャーーン!』 『バコッ』 『ボンッ』 『バンッ』
セダンのサイドウインドウがテロリストの射撃で砕け散り、車体のそこかしこに銃弾が命中する。

『撃たれた!反撃を!』 抗弾ベストの上から弾を喰らったヤコビーが悲鳴を上げる。
しゃがんだままセダンのサイドウインドウ越しにG36CのACOGスコープに射撃を続けるテロリスト達を捉える。
『ババン!ババン!』 命中。まず一人。
『ズバーーン』 『ズバーーン』 ヤコビーが俺の左手からショットガンを発砲しながらセダンの陰へ
取り付く。

そのままの位置で左端の奴をレティクルに捉えてトリガを絞る。
『ババン!ババン!バン!バン!』 OK!命中。木の石造りの台座の右手にいる奴に照準を移動する。
『バン!』 弾切れ!しかしこの一発がテロリストを昏倒させる。
マガジンを交換してコッキングハンドルを引く。

『バン!バババン!バン!』 『ババン!バン!』
ロイゼルがセダンのボンネットの陰に、レイモンドがセダンの後部の陰に取り付きつつG36Cで応戦。
形勢は逆転した。

俺は再びACOGスコープを覗き込み、白いセダンに射撃しながら取り付こうと接近して来たテロリストのマズルフラッシュに向けてG36Cを連射。
『バババババン!』 セダンのリアウインドウが砕け散り、ウインドウ越しに叩き込まれた5.56mm弾はテロリストを絶命させる。
そのまま銀行玄関前の木の台座から半身を乗り出しているテロリストを1枚だけ残っていたサイドウインドウ越しに狙い撃つ。
『ババン!ババン!ババン!』 奴はよろめいて崩れ折れる。

先程の凄まじい銃撃戦が嘘のように銀行前に静寂が訪れた。
セダンはボロボロになったが我々を何とか守ってくれた。持ち主に感謝だな。

そろそろとセダンのフロント側を通って道路を突き当たりに進んで索敵。
OK。銀行前はようやくクリアだ。
『敵は全滅です』 とヤコビー。
激戦の最中に生来の気性の荒さを垣間見せた彼女だったが今はもう冷静だ。そうでなくちゃな。

開きっぱなしの両開きの銀行玄関のドアへ走る。
ドアの外から中をカッティングパイでクリアリング。廊下は無人。クリアだ。

『アルファ2へ。こちらレインボウ・シックス。金庫室を制圧しろ』 とクラーク将軍から通信。

廊下を移動して受付カウンターへ向かう。ロビーはその先だ。

扉の無い戸口から受付カウンターをカッティングパイで左端から索敵する。

カウンターの左の席に武装テロリスト!
『バババン!』
ACOGスコープを覗き込み咄嗟射撃。男は胸に5.56mm弾を受けてカウンターの後ろへ倒れる。
戸口をそのまま左へスライド移動してカウンターの右側を視界に入れる。
『ババババン!』 『うわぁぁ!』
カウンターの右側に座っていた武装テロリストもG36Cの連射で倒す。

二つある入り口の右側からロビーに入る。
ロビーの左右には鉄格子で仕切られた接客ブースが設けられている。
ロビー自体は吹き抜け構造で2Fのバルコニー状のエリアに事務質が配置されている筈。

右側の接客ブースの陰からロビーを索敵する。左側接客ブースのカウンターに銃を持ってしゃがんだ男の後頭部が見える。少なくとも受付嬢じゃなさそうだな。
『バババン!』
スコープのレティクルを男の頭部に重ねバースト射撃。男はカウンターの向こうに倒れる。

『畜生!今のは何だ?』 『ここを出ようぜ!』
遮蔽物にしていた右側の接客ブースの中でテロリスト達が騒ぎ出した。
2Fに動きが無いのを確認してロビーに出て右側のブース内を索敵。
2名のテロリストが先を争ってブースの出口に向かおうとする所。

『ババン!ババン!』 『うわぁぁ!』
『ババババン!』 『ぐわぁぁ!』
カウンターの鉄格子越しにG36Cの斉射でドアの手前の2人を撃ち倒す。クリア。

背後の左側の接客ブースにもう一人テロリストが潜んでいたようだ。
悲鳴を上げながらブースの出口から逃げた。
念の為左側の接客ブースをロビーからクリアリング。クリア。

2Fに動きが無い内にチームメンバーと共に一気にロビーを駆け抜け、突き当たりの右奥の入り口から左の接客ブースへの通路へ走り込む。
通路は無人。そのまま進んで通路の突き当たりのドアから先程制圧した接客ブースに入る。
OK。新たなテロリストの姿はない。
倒したテロリストが逃げようとした突き当り左のドアは2Fへの階段へ続くはず。

残弾の少ないマガジンを交換し、階段へのドアを開け進入。すかさず左を向いて階段の様子を伺う。
OK。クリアだ。G36Cを構えていつでも発砲出来る体制のまま一気に階段を登る。
階段を登り切って左の通路をクリアリング。通路は無人で事務エリアへのドアが左側に二つある。
不思議な程の静寂。

連中は2Fのバルコニー状に配置された事務エリアで我々を迎え撃つもりらしい。
待ち伏せしてドアから入った所を狙い撃ちという目論見だろう。
チームメンバーに手前のドアからの突入を準備させる。

ヤコビーのマスターキーことM1S90ショットガンでドアの蝶番を破壊、倒れたドア口からフラッシュバン・グレネードを投擲。
混乱に乗じてロイゼル、レイモンド、ヤコビーにそのまま突入して事務エリアの手前側の敵を排除させる。
俺は奥の方のドア前で待機して、フラッシュバン・グレネード炸裂の直後に突入。
事務エリアの奥側の敵を排除だ。

『作戦了解。配置に付きます』 ロイゼル、レイモンド、ヤコビーが配置に付く。GO!
『GO!』 ヤコビーが合図と共にドアの上下の蝶番をショットガンで吹き飛ばす。

『畜生!来やがった!』 叫び声を上げるテロリスト。

ドアがそのまま室内へ倒れる瞬間にレイモンドがフラッシュバン・グレネードを放り込む。
『バン!バババン!』 『ぐわぁぁぁ!』 レイモンドが戸口近くに居たテロリストへG36Cを連射。

俺はそこまで確認して一気に廊下奥のドアまで走る。
『ズバーン!!!』 閃光と凄まじい爆発音が2Fの事務エリア全体に響き渡る。突入!!
ドアを蹴破り入るなり担当の右側を索敵。
突き当りに3名のテロリストを視認。
『ババババババン!』 一番手前の敵にACOGスコープのレティクルを合わせて連射。
命中を確認しそのまま右奥の机の陰の敵に照準!
『バババババン!』 同じく連射で撃ち倒す。

ACOGスコープから目を離し再度事務エリアを索敵。
3人目の男は事務員の個室パーティッションの陰に隠れて発砲の体制。頭部だけがわずかに見える。
『クソ!撃って来るよ!注意して!』 ヤコビーが俺に警告。大丈夫。判ってる。
前進しながらACOGスコープで男の頭部にレティクルを重ね..
『バババババババン!』 パーティッションの上部もろとも男の頭部に5.56mm弾を叩き込む。
個室が血飛沫に染まる。

そのまま部屋の右奥の突き当たりに走り、パーティッションから身を乗り出して左を索敵。
しゃがんでパーティッションの陰に隠れた横向きの2名のテロリストを発見!
『ババババン!』 手前の男を排除。射撃音で俺に気付いたもう一人が銃を構えて向き直る。
『バババババババン!』 男はG36Cの連射にたまらず床に崩れ折れる。弾切れ!マガジンを交換。

そのまま前進して事務エリアの出口の角へ。クリア。振り返ってチームメンバーの状況を確認。
『バババン!』 『敵を排除』 とレイモンド。

3人とも無事だ。バルコニー状の場所に戻って階下のロビーに動きが無い事を確認する。
パーティッションの陰をチェックさせつつチームと合流。
『エリアはクリアです』 ロイゼルが報告。

事務エリアの出口の先は下りの階段。1Fの先程通過したのとは反対側の接客ブースに通じる。
そのブースから警備室と金庫室に行ける筈だ。

事務エリアを出て階段を下り、接客ブースをチェックする。無人だ。警備室の金属探知機の端末がある。
コイツを解除しないと大騒ぎになる。端末に取り付いて電源を切る。OK。
チームの後続を確認して金属探知機を抜け警備室へ。ここも無人だ。左手には金庫室への入り口。
金庫室の大きな円形の金庫の扉が開いているのが判る。

大統領と側近の人質はそこだろう。多分残りのテロリストも...
開いた金庫の扉の向こうに銃を構えたテロリストがいた!『畜生!こっちに誰か来たぞ』
『バババン!』 『ババン!』 俺とロイゼルのG36Cが同時に5.56mmを吐き出す。男は後方へ吹っ飛ぶ。

猶予はない。一気にケリを着けないと人質が危険だ。
金庫室に突入し索敵。右奥に銃を構えたテロリスト!
『バババン!バン!』 訓練の成果だ。スコープで照準を一瞬で着けバースト射撃とセミの止めの一発。
男を倒す。

そのまま円形の扉が開いた金庫内に走り込む。突き当たりの壊れて開いたドアを抜け右へ。
人質を監視するテロリストだ!
『ババババババン!』 近射でG36Cの5.56mmを喰らった男はそのまま部屋の向こうへ吹っ飛ぶ。

『銀行を封鎖しろ!何者かがビルにいるんだ!』
我々を警備員の突入だとでも思ったのか大統領が叫んでいる。
倒したテロリストの死体を跨いで通路を右折すると頭の後ろで腕を組まされた大統領と側近の姿。

OK。荷物(Package)は確保した。拘束から2人を開放。金庫から出る。

『アルファ2へ。銀行正面の道路へ移動しろ。マロイにMH-60Gで迎えに行かせる』 とクラーク将軍。

だが任務はまだもう一波乱ありそうだ。衛星からの情報では銀行から離れた場所に居たテロリストが援護に駆け付け始めているらしい。
すでに数名はロビーと玄関に近い側の接客ブースに入り込んで来た気配だ。

大統領と側近の2人にロイゼルを護衛に付け待機させる。
俺とレイモンド、ヤコビーの三人で連中を排除に向かう。

金庫室から警備室を抜け、接客ブースに出る。
ロビーと反対側の玄関に近い接客ブースにテロリストを視認。まずは一番近いロビーの男だ。
G36CのACOGスコープのレティクルを男の胸に重ねてトリガを絞る。
『ババババババン!』 『うゎぁぁぁ!』 絶叫して倒れるテロリスト。

銃声と悲鳴に反応してロビーを挟んで反対側の接客ブースでテロリストが動く。
一番右の奴から...『バババン!バン!』 『ぐわぁぁ!』 バースト射撃にセミ一発で確実に倒す。
あと2人。それぞれ柱の陰と接客ブースの入り口の陰に隠れた。

左に移動。鉄格子の隙間から入り口の陰の半身の男にレティクルを重ね..
『ババン!ババババン!』 『うぉぉぁ!』 男は呻きながら床に倒れた。
弾切れ!マガジンを交換してコッキングハンドルを引く。

あと1人。柱の陰になって姿が見えない。接客ブースの左一杯に移動して男の半身を捉える。
『バババババン!』 『ぐわっ!』 男を倒した。OK。当面はクリアだ。
人質とロイゼルに後続を指示 し、接客ブースから通路へ出て2Fの事務エリアへの階段を登る。

事務エリアへ入った。室内を索敵して安全を確認。
バルコニー状のスペースからロビーを見下ろして確認。OKクリア。

事務エリアを出て下りの階段へ。階段を下って増援を倒したばかりの接客ブースに入る。
OK。みんなそのままおとなしく死んでいろよ。

接客ブースを出てロビーへ出た。前方には人の気配はない。ロビーを抜けて受付カウンターへ向かう。

『銀行を封鎖しろ!誰かがビル内にいるんだ!』 側近が大声で叫ぶのが後方から聞こえてくる。
ロイゼルも苦労するな...もっとも我々が誰だか説明する時間は無い。
苦笑しながら無人の受付カウンターを抜け、銀行の玄関に向かう。

銀行の玄関前の道路がMH-60Gのマロイとの合流ポイント。
しかし問題はここからだ。衛星の情報ではテロリストの残党が銀行に集まって来た筈だ。
まだ十名程が残っていると思われる。

レイモンドとヤコビーが背後に控える状態で玄関のドアからカッティングパイのセオリーで外の様子を伺う。
やっぱりだ。桜の木の石造りの土台の向こうに武装した男が見える。
まずはコイツからだ。ACOGスコープで慎重にレティクルを重ねる。
『バババン!』 男の頭部がバースト射撃で血飛沫を上げる。

そのまま左へスライド移動して徐々に視野を広げる。いた!さっきは我々の盾となった白いセダンの向こうにもう一人。
『来やがった!』 『パン!パン!』 発砲する男は頭と腕だけがわずかにセダンから露出している。

『バン!バン!ババン!ババン!』 セダンのルーフの当たりを狙って発砲。外れた!
しかし男はセダンのフロントへ移動して上半身を晒す。
『バババババン!』 今度はACOGスコープのレティクルは正確に男を捉えた。崩れ折れるテロリスト。

さらに左へスライド移動して道路の右方を索敵。木の台座から半身を晒したテロリスト!
『パン!』 『ババババババン!』 奴と俺は同時にトリガを引いた。
奴の弾はドアの枠木に当たり、俺のG36Cの連射は奴を撃ち倒す。
弾切れ!マガジンを交換。これがG36Cの最後のマガジンだ。
一抹の不安が胸をよぎるが..いや。その為のチームメイトだ。彼らを信頼しよう。

と、もう一人のテロリストが今の奴と同じ場所に顔を出す。
『バババン!』 『バババン!』 『うゎぁ!』
バースト射撃の2連射は確実にテロリストに命中。男は前のめりに倒れた。視界の敵はクリアだ。
玄関を出て正面の道路の右方へと進み、車両や建造物の死角を索敵する。

地表はクリアだ。一瞬気が緩んだその瞬間、頭上の背後から発砲音!
『これでも喰らいやがれ!』 『パン!パン!』 銀行の正面玄関上のバルコニーにテロリストだ!

振り返って後退しながらACOGスコープのレティクルに奴を捕捉する。
桜の木の枝ではっきりとは見えないがマズルフラッシュを頼りにトリガを引く。

『ババババン!』 『うわぁぁ!』 男はのけぞって倒れ、ライフルが振って来た。
ACOGスコープの視界の右端にもう一人のテロリストが現れた。素早くサイティング。
『ババババババン!』 確実に倒す為、貴重な残弾を男の頭部に叩き込む。

一旦スコープから目を離して周囲を索敵。バルコニーにもう一人!
再びスコープでサイティング。銃を構える男に向けトリガを絞る。
『ババババババババン!』 『ぐわぁぁぁ!』 男はバルコニーの後方にのけぞって消える。
OK。撤収用のLZは確保した。後はマロイのMH-60Gの到着を待つのみ。

『何度言ったら判る!銀行を封鎖するんだ!』
叫びながら大統領が側近と共に現れる。
ロイゼル、レイモンド、ヤコビーは周囲を警戒。
内戦の状況は不透明だ。戦火がこの銀行に及ぶ可能性がある。
金塊よりはまず命が大事だとヘリコプターの機上で判らせてやろう。

『チーム!良くやった!!大統領の安全を確保したな。彼を政府軍の空港へ移送して、
 
その後ヘリフォードへ帰還してくれ。シックスより以上!』
クラーク将軍からお褒めの言葉。何年ぶりだろうか。

ビルの道路を縫うようにして低空をマロイのMH-60Gが角を曲がって接近して来るのが見える。
戦闘速度であっという間に近付き、銀行前の道路上空で一気にホバリング体制に入った。
本当にいい腕だぜマロイ...

我々レインボウチームはMH-60Gに大統領と側近と共に搭乗し、マロイの芸術的な飛行で内戦の戦火に巻き込まれる事無く政府軍の基地に到着。二人のVIPをお届けした。
我々の素性は知らせていないが軍の上層部には話が通っており、燃料の補給と大統領からのささやかな感謝の言葉を土産にプレトリアを後にした。

空港で合流したリードマン中尉がヘリフォードへの飛行の途中で真顔で話しかける。
『どうだ。イナーク。新しいメンバーも中々やるだろう。どうだい。チームへ復帰しないか?』

『お誘いはありがたいんですが俺には今日みたいな準軍事(パラミリタリー)作戦はもう
 体が付いて来ませんよ。怪我しなかっただけでも儲け物です。当分はSWATでもっと小物の
 悪党を相手にのんびりやっていたいですね』

『その事だが最近米国内で暴動やテロを扇動している傭兵上がりのテロリストがいるな。
 そいつが今回の大統領誘拐と金塊強奪の絵図を描いた形跡がある。案外知らずに又我々と
 同じ敵と闘う羽目になるかもしれんよ』
とリードマン中尉。

イギリスのヘリフォード基地で俺はロイゼルやレイモンド、ヤコビーと別れを告げ、米軍のガルフストリーム機でアメリカへの帰路に着いた。

SWAT任務とは違う神経と筋肉を使うのだろうか。俺はいつもよりぐったりとしている自分に気づいた。
のんびりとCATV三昧のはずがとんだ休暇になった。
リードマン中尉の市警上層部への計らいで作戦に参加した日数分は休暇が延長になっている事を知ったのは自分のマンションに帰ってレイノルズ巡査からの留守電を聞いてからだ。
相変わらず彼は抜かりがない。

俺はソファーにくつろぎ、CATVの電源を入れる。そこには映画『ターミネーターII』が映し出された。
物語は丁度スカイネットの反乱で核戦争が起きる場面。
あれ...って事は...

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   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
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 Movie   Inerk's vacation

 Photo   Inerkの護身用ベレッタ92F

 Photo   特殊作戦用 MH-60G PaveHawkヘリコプター

 Photo   G36CとRainbowチームの標準装備

 Photo   G36CとRainbowチームの標準装備その2

 Photo   G36Cのコッキングハンドルを引き初弾を装填

 Photo   G36Cは特殊部隊用のCQBに特化したモデル

 Photo   ヤコビーのショットガンと各種装備

 Photo   イナークの SOCOM Mk23

 Photo   武装したテロリスト

 Photo   ACOGスコープのレティクル

 Photo   カッティングパイでクリアリング

 Photo   Shootingに使用したTarget