Inerk's story 05 "Old Granite Hotel"

【前回までのあらすじ】
日系米国人のイナークは米国陸軍レンジャー、デルタ部隊勤務を経て、NATOの特殊作戦部隊Rainbowに従事していた。
テロリスト達との殺伐した闘い、殺し合いの日々に疲れた彼はRainbow部隊を退役。
超小型核爆弾の幻覚に悩まされながらも、市警のS.W.A.T.のエレメントリーダーとして多忙な日々を送っている。




俺の名はイナーク。市警のSWATで新米のエレメントリーダーを務めている。

先日の高級車輸入販売店での人質篭城事件の際に受けた腕の負傷はまだ少し痛むが、どうにか任務に復帰できる状態になった。
任務完了直後には鎮痛剤のせいで意識が朦朧として超小型核爆弾が爆発する幻覚をまた見てしまったが、今はもう大丈夫だ。

Third Watchシフトも体が慣れるとそれ程キツくはなくなって来た。
昼食の後、腕のリハビリを兼ねた自主射撃訓練を軽くこなしてから待機室に入る。
他の4人のチームメンバーもシフト定刻の5分前には顔を揃えた。
直前のシフトからの引継ぎ事項は特に無し。

先日、市警の他の分署がテロ集団とおぼしき連中に襲撃されて厳戒態勢が今も取られてはいるが、ウチの場合はむしろ武闘派の幹部を殺されたモーリスシンジケートの報復の方が憂慮されている。
しかし武器取引を押さえられた為か現在の所は大きな動きは無い。

シフト開始から10数分も経たない内にSWATチームに市警本部から出動命令が出た。今日は忙しくなる。
状況はこうだ。

西7番街の1700番地。経営不振から倒産した『旧グラナイトホテル』で人質篭城事件が発生した。
同ホテルを買収したフランスのベティンコート投資会社のCEOの息子、ジェーム ス・ベティンコートJrと、改装工事を請け負った建築士、ローレンス・アダムスの2名が人質となっており、$1,200万ドルの身代金が要求されている。

容疑者達はアメリカ・ナウと名乗る武装集団のメンバーと見られている。
彼らは外国資本によるアメリカ資産の買収をアメリカに対する経済的侵略と見なしており、これまでにも何度か過激な工事妨害や破壊活動を行ってきた。

今回は単純な誘拐では無く、人質を取って篭城する事でメディアへ活動のプロパガンダを行うと共に、活動資金の調達を目的とした犯行のようだ。
容疑者達は軍用のインターセプターボディアーマーまで着込み、M4A1やショットガンなど軍隊並みの装備で固めている。

容疑者と人質は改装中のホテル最上階の7Fと6Fに篭城しており、エレベーターを 5Fで作動不能の状態にしている。
6Fは半分ほど内装も終わっているが、7Fはまだ建材があちこち剥き出しで外壁も一部未完成の状態だ。
2名の人質は7Fの改装中のスペースのどこかに別々に拉致されていると思われる。

例により交渉チームは最善を尽くしたが、容疑者達は更なる身代金や、彼らの主義を説く『新アメリカ宣言書』の全国紙への掲載などを一方的に要求するのみで人質を解放して投降する気配は無い。
ベティンコート投資会社はアメリカ中央の政治家にも強い影響力を持っており、迅速かつ確実な人質の救出が市警本部へ見えざる圧力となっているようだ。

犯人に交渉継続のように見せ掛けつつ我々SWATチームの突入が決定された。

我々SWATチームが突入可能な経路は2つ。
1Fから階段で6Fに登るか、屋上設備からエレベーターシャフトを降りて、5Fで止まったエレベーターの天井を足掛かりに6Fのエレベーターのドアから突入する事が出来る。
ほぼ100%の待ち伏せが予想される階段からよりは、彼らが安全と思い込んでいる 6Fエレベーターのドアからの突入がベターだと判断する。

作戦はこうだ。
6Fエレベーターのドアから潜入。
6Fの客室の制圧は後回しにして通路と階段を制圧。
階段から7Fに登り、改装中の7Fの各部屋を迅速に捜索して容疑者を排除しつつ人質を救出。
しかる後6Fに戻り客室に潜んでいる容疑者を一掃。

突入部隊の編成は5人。リーダーは俺、レイノルズが偵察員、ジェラルドとフィールズがアサルター、ジャクソンがリアガードだ。
今回の任務でも各自M4A1ガバメントを標準装備とし、リアガードのジャクソンのみショットガンをメインアームとして装備する。
M4A1は容疑者のボディアーマーに対抗する為FMJ弾を4マガジン装備する。
偵察員のレイノルズは通称マジックワンドと呼ばれるドアの隙間から室内を窺うファイバースコープのモニタ装置を携行。
俺は施錠されたドアの鍵を破壊する為にM4A1に加えてショットガンを携行する。
後は全員が例により催涙ガスとフラッシュグレネードを複数持つ。

6F、7F共に外部から見通せるスペースは限られるが、6Fの客室部分をシエラ1、7Fの工事部分をシエラ2としてそれぞれスナイパーを配置する。
スナイパー発砲の判断は突入部隊の我々に任せられる。

我々は市警のUH-1ヘリコプターに搭乗。目標のホテルの屋上に降りる。
屋上の施設からエレベーターの天井に降下。6Fのエレベーターのドアを開ける。
警報が鳴り響いている。部分的にスプリンクラーも作動しているようだ。

いよいよ突入だ。M4A1のタクティカルライトを点灯し、セレクタをSAFEからBURSTに切り替える。
『エレメント!行くぞ!』 無線でチームメンバーに告げ、エレベーターのドアを出て通路の右を伺う。人影は無い。
左に向き直り、通路を左回りでエレベーターの反対側に位置する階段に向かう。

一部屋過ぎた所で前方に人影。
『畜生。警官だ!』
叫んだ男はボディアーマーにレッグホルスター、フェイスマスクもした完全武装だ。

『警察だ武器を捨てろ!』
警告を無視して容疑者は銃を向ける。『ズダダン!』
容疑者の銃と俺のM4A1がほぼ同時に火を吹く。
容疑者の発射した弾丸は右上に逸れたが俺のFMJ弾は正確に容疑者のボディアーマーの中央に叩き込まれた。

容疑者はたまらず昏倒する。
撃ち込んだ3発のFMJ弾は1発はボディアーマーで止まっていたが、CQB戦で至近距離だった事もあり後の2発は貫通しているがまだ息がある。
『エントリーチームより本部へ。容疑者1名を倒した。緊急医療チームを待機させて
 くれ』

容疑者の武器を確保する。
何てこった。容疑者の銃は我々と同じタクティカルライト付きのM4A1

軍用ボディアーマーと言いどうやら大掛かりな武器の密輸組織が動いているようだ。

作戦続行だ。通路を急ぐ。
二部屋目を過ぎた所で改装中の仕切り板とドア。
先程の容疑者が出てきたのだろう。開け放たれている。
ドアをくぐると通路は左に折れている。

続く通路の右側には7Fへの階段が。
突き当りにはビニールの仕切りと簡易ドアが見える。
後続のレイノルズが目ざとく仕切りの左端に容疑者を見つけた。

『容疑者です!警察だ!膝を付け!』
まずいタイミングだ。階段にいると思われる容疑者と同時に交戦は避けたい。

チームは一気に通路を走り抜け、容疑者を追跡。
俺は階段にM4A1の照準を合わせて容疑者の増援に備える。

『警察だ!投降しろ!』
容疑者のショットガンの発射音と同時にレイノルズがM4A1を発砲。
『うぁぁ!』 悲鳴と共に容疑者は倒れた。

階段からは何の動きも無い。ホテルの防音設計に感謝だ。
倒れた容疑者のもとへ向かう。
容疑者は頭を撃たれて死亡していた。
『エントリーチームより本部へ。容疑者1名を射殺。』
手早く報告を済ませ、容疑者が持っていたショーティタイプのショットガンを確保する。

『各員続け!』 集合の号令を掛けて階段に向かう。
一気にドアを開け、待ち伏せに備えてM4A1を階上に向けながら、そろそろと7Fへと階段を登る。
階段の踊り場に待ち受けていた物はアタッシュケースに組み込まれた時限式の爆弾。
タイマーの残り時間は9分13秒。
『うそーん...』

しかしそれはいつもの幻覚ではなかった。階下の発砲音を聞いて容疑者がタイマーを作動させたらしい。
『たいちょー。エントリーチームです。マズイ事になりました。タイマー式爆弾を
 発見。容疑者はこのビルを吹き飛ばすつもりのようです。状況と容疑者情報の
  再確認願います』

『本部よりエントリーチームへ。了解した。至急確認して連絡する』

タイマーは大きな電子音を響かせながら容赦なくカウントダウンを続ける。
やむを得ず爆弾の無力化に掛かる。
もちろん爆弾の解体訓練は受けているが、多分一番俺がこの任務には向いていない
と思うんだがなぁ...

『ピポッ』
爆弾の起爆配線はカットした...
しかしカウントダウンは止まらない。
どうやら複数の爆弾のタイマーが互いに連動しているらしい。
全ての爆弾を解体しないと完全に爆弾を無効化できないタイプだ。
残り時間は9分。

逃げ出すのに掛かる時間を考えると任務を続行するしかないようだ。
チームメンバー達もさすがに緊張と恐怖の表情を隠せない。
『エレメント!行くぞ!』 無線でチームメンバーに告げ、7Fへ向かう。

階段の上がり口では左に設備室、右に客室のある通路へのドアがある。
仮付けされた木製の右のドアから爆弾のタイマーの電子音が微かに聞こえる。
右のドアを開け、通路に出る。
エレベーターシャフトを中心に円周上になった通路をタイマーの音を頼りに反時計回りに進んでチェックする。

『本部よりエントリーチームへ。情報が入った。容疑者達は4つのアタッシュケース
 を持ち込んだようだ。爆弾は4つあると思われる。爆発物処理班が急行中だ。
 到着時間は12分後になる』

あった!本部からの連絡を聞きながら通路のロッカーの陰に置かれた2個目の爆弾を解体しながら返事をする。
『エントリーチームから本部へ。タイマーの残り時間から見て爆発物処理班は間に
 
合わない。エントリーチームで対応する』

『本部よりエントリーチームへ。了解した。幸運を祈る』

4個なら時間的には解体可能だ。容疑者達との銃撃戦に時間が掛からなければだが...

通路に出て最初の客室に近付く。薄い仮止めの木製のドアからは何も聞こえない。
爆弾はないだろうが容疑者や人質が隠れている可能性はある。
爆弾の解体中に背後から襲われてはかなわない。
一部屋ずつクリアリングが必要だ。

マジックワンドのファイバースコープを使って室内を確認する余裕は無い。
ドアを開け中に踏み込む。
客室内の奥は暗く良く見えない。
左手の個室には壁が無くビニールの幕が張られている。
『まったく信じられねえよ..』
ビニール越しに独り言を言う人影..容疑者だ。

『警察だ!おとなしく投降しろ!』
容疑者は応えずコンテナの陰に身を潜めると拳銃を突き出す。
M4A1の3点射を3回。9発をはみ出した容疑者の半身とコンテナに撃ち込み個室に踏み込む。

と同時に『容疑者発見!』 レイノルズとジェラルドが叫ぶ。
部屋の奥の暗がりから飛び出してきた容疑者2名と銃撃戦になった。
レイノルズとジェラルドは2名の容疑者をM4A1の連射で無力化した。

個室から出て2名の容疑者へ向かう。
『エントリーチームより本部へ。容疑者を倒した』
本部へ報告しつつ容疑者のAK47とショットガンを回収する。

『了解。任務を続行せよ』 冷静に本部が応答する。
と、部屋の奥の暗がりに人影。タクティカルライトで照らす。
アロハシャツに黄色の作業用安全ヘルメット。人質の一人、ローレンス・アダムスだ。
流れ弾に当たらなかったのは幸運だった。
『彼を確保しろ』

『大丈夫。すぐに済みます』
レイノルズがアダムスに手錠を掛けて拘束する。

その間に個室に戻り容疑者の銃を探すが見つからない。非武装の容疑者を射殺したとなると内部監査が黙っちゃいない...あった。部屋の反対側まで吹っ飛んでいた。
容疑者のグロックを回収。本部へ報告する。
『エントリーチームより本部へ。人質ローレンス・アダムスを確保した』

『本部了解。その調子で頼む』

『エレメント続け!』 部屋の出口のドアを抜け次の客室に向かう。
客室のドアを開け中に踏み込む。間取りは先の部屋と同じだが奥が電灯で明るい。
左のビニールの壁の個室は空。右手のクローゼットも空。
部屋の奥は..キャビネットの陰に容疑者!

『銃を捨てろ。警察だ!』
犯罪者と違って狂信的なグループは始末が悪い。飛び出すなり発砲しようとする。
俺は容疑者の首を狙ってM4A1を3点バースト。『ズダダン!』 一気に倒す。
回り込むとキャビネットの陰にもう一人容疑者が。
『銃を捨てろ!』 ショットガンを構える容疑者へ再び3点バースト。
容疑者は血を吹いて崩れ折れる。

爆弾の爆発まで後7分30秒。情けを掛ける余裕は無い。
容疑者のUMP.45とショットガンを確保して客室を後にする。

『こちらシエラ2。容疑者を7Fの建設中の客室に発見』
これからクリアしようとする外壁の無い建設中の客室の容疑者をヘリコプター上のスナイパー、シエラ2が発見したようだ。
『エントリーチームよりシエラ2。そいつを片付けてくれ』

『シエラ2了解』

『ドゴーン!』 シエラ2のスナイパーライフルの弾丸は容疑者の背中に命中。

しかし容疑者のボディアーマーの貫通には至らない。
『ドゴーン!』 『ドゴーン!』 2発目のボディへの射撃の後、結局ヘッドショットでようやく容疑者を倒す。
『こちらシエラ2。7Fの客室入り口で容疑者を1名倒した』

ドアを開け客室に踏み込む。
この客室は外壁が無く壁の代わりの安全ネットが吹きすさぶ風にはためいている。
ドアの入り口にはシエラ2が倒した容疑者。
『エントリーチームより本部へ。容疑者の死亡を確認』
容疑者のUMP.45を回収して報告する。

『本部了解。任務を続行せよ』

と、風の音の中で聞きなれた電子音...振り返ると部屋の入り口側の壁際に爆弾が。
3個目だ。直ちにツールで解体。残り時間は6分20秒。

建材や重機が散在する部屋の奥へ進もうとすると市警のヘリコプターが降下してきた。
『こちらシエラ2。エレメントチームを視認した』

ヘリコプターが巻き起こす風と砂埃で進めない。この騒音ではタイマーの音も聞き取れないだろう。
手振りでヘリコプターを追いやって任務を続行。

隣の客室へは仕切りの壁自体がまだ存在しない。通路を経由せずそのまま進む。
部屋の奥に人影だ。軍用ボディアーマーで身を固めたその姿は間違いなく容疑者。
『警察だ!銃を捨てろ!』 言うと同時にM4A1の3点バーストを2連射して容疑者を撃ち倒す。

過剰攻撃スレスレだが何しろ時間が無い。
AK47を回収して本部へ容疑者の死亡を報告する。
『エントリーチームより本部へ。容疑者を殺害』
『本部了解』

通路へのドアを開けて、未完成だが壁のある通路を次の客室へ向けて進む。
『こっちか畜生!』
階段側を見張っていた容疑者が音に気付いて通路を走り込んできた。

『手を挙げて投降しろ!』 やはり従わない容疑者に3点バーストの2連射を撃ち込んで昏倒させる。容疑者のM4A1を回収。
『エントリーチームより本部へ。容疑者を倒した』
『本部了解。続報を待つ』

いよいよ7Fの最後の部屋だ。
ドアを開けて中に踏み込む。『ポリ公め!』
入り口の陰で待ち伏せていた容疑者がM4A1を構える。
『警察だ!手を上げろ!』 言うと同時に容疑者より一瞬早くM4A1を至近距離から発砲。
容疑者は後ろにのけぞるようにして倒れる。容疑者のM4A1とガバメントを回収。

『エントリーチームより本部へ。容疑者を殺害』
『了解。油断するな』

残り時間は5分を切った。
『エレメント。続け!』 無線で宣言。
『了解ボス。』 レイノルズが頼もしく応える。
外壁の無い部屋からは夕暮れの街並みが見える。この美しい景色は別のシチュエーションで見たかったな...

回り込むように部屋を進む。仕切り板の建材の陰に容疑者。
M4A1の3点バースト2連射であっさりと崩れ折れる。
本部へお決まりの報告をしてさらに部屋の奥へ...無人のようだ。

電子タイマーの音が聞こえる!
エレメントをそのまま待機させ先に進む。
部屋の突き当たりの赤い台車の上に最後のアタッシュケースの爆弾があった!
解体の為、爆弾に歩み寄る...と死角の物陰から容疑者が!!

『ポリ公め!俺はここだぜ!』
無警告でM4A1を発砲。M4A1を構えた容疑者の首を打ち抜く。
人を殺そうとする時は黙って間髪を置かずに引き金を引くもんだ。
『エントリーチームより本部へ。容疑者を倒した』

報告をしながらさらに隠れた容疑者がいないか室内を改めてチェック。
大丈夫。この部屋はもう安全だ。爆弾がある事を除けば。
最後の爆弾の解除に掛かる。この接続線を切れば...
『ピッ』
タイマーが停止した。残り時間は4分9秒だった。
『危機一髪にはちょいと余裕だった』 と強がりを言ってみる。
しかし実際は全身ぐっしょりと汗まみれだ。
『エントリーチームより本部へ。全ての爆弾を解除した』

『OK!良くやった!その調子で任務を続行しろ!』
隊長の声に安堵が感じられる。

後はジェームス・ベティンコートJrの救出と残った容疑者の排除だ。
7Fの設備室か、6Fの客室、従業員室のどこかにいるはずだ。

客室を後にして入り口のエレメントメンバーに合流。
『よし行くぞ!続け!』
『OK!任せとけ』 と頼もしい相棒達。

階段に戻り、反対側の設備室のドアを開ける。
動きは無い。しかし俺の勘はここに容疑者と人質の気配を感じ取った。
CSグレネードを部屋の奥へ放り込む。
『バンッ!』 CSグレネードが炸裂して催涙ガスが充満する。
『ポリ公だ!』 『畜生。目が!』
激しく咳き込みながら容疑者達が叫ぶのが聞こえる。

突入。
『警察だ!手を上げて膝を付け!おとなしく投降しろ!』
作業カートの陰と柱の陰に容疑者。
カートの容疑者は武器を捨て投降の姿勢を見せるが、柱の容疑者は激しく咳き込みながらもAK47を手放さない。
と、部屋の一番奥に、洒落たスーツを着込んだ黄色い安全ヘルメットの男がうずくまっているのが目に留まる。
人質のジェームス・ベティンコートJrに違いない。

躊躇する事無くAK47を手放さない容疑者へM4A1の3点バーストを叩き込み無力化する。
投降した容疑者の逮捕をジャクソンに指示し、俺はジェームス・ベティンコートJrに歩み寄り手錠を掛けて確保する。
不平をまくし立てる人質をなだめる。
『一応規則ですから心配しないで下さい』

『エントリーチームより本部へ。容疑者1名を射殺。1名を逮捕。人質のジェームス・
ベティンコートJrを確保した』

『本部了解。油断するなよ』

さあ。残るは6Fの客室に隠れている容疑者の落穂拾いだ。
『エレメント!合流して俺に続け!』
『了解!BOSS!』


階段を降り再び6Fへ。降り口を右に折れて客室に向かう。
まずは625号室。鍵は掛かっていない。
ドアをそっと開け、中に踏み込む。
クローゼットも洗面室も空。部屋の奥へ進むが容疑者の姿は無い。

室外で待機していたチームメンバーに合流を指示して、隣の624号室へ。
ドアに鍵が掛かっている。
改装中の無人のホテルでは不自然な事だ。
ピッキングツールで静かに鍵を外し、ドアをそっと開く。
クローゼットは空。部屋の奥にも人影は無い。
しかし洗面室のドアの下から光が漏れている。誰かいる訳だ。

洗面室のドアはやはり鍵が掛かっている。
ピッキングツールで静かに鍵を解除。M4A1を構えドアを開く。
容疑者だ!『警察だ武器を捨てろ!』
爆弾の解除と人質の救出で気の緩みがあったのだろうか。
俺がM4A1を連射するのとほぼ同時に容疑者のショットガンの発砲を喰らう。
『ぐはっ』 悲鳴を上げて容疑者は前のめりに崩れ落ちる。

ひどい衝撃を受けたが幸いショットガンの弾は俺のSWATベストの抗弾プレートを貫通する事は無かった。
『エントリーチームより本部へ。容疑者1名を射殺』
『了解。残りを片付けろ』

この624号室は通路を通らずに直接623号室へ続くドアがある。容疑者が623号室にいるかどうかは判らないがこのドアから踏み込むのが良さそうだ。
ドアの鍵をピッキングツールで解除。そっとドアを開けて623号室へ。

部屋の奥から入り口のドアを見ると、クローゼットは空だが洗面室のドアは開いており、電気が点いている。
そっと廻り込んで洗面室に踏み込み銃を向ける。
『警察だ!手を上げて膝を付け!』

そこに居たのはホテルの従業員だった。手錠を掛けて確保する。
容疑者達が侵入した際に逃げ込んで隠れていたらしい。
『エントリーチームより本部へ。民間人を確保』
『了解した。任務を続行しろ』

623号室のドアの鍵を開けて通路へ出る。残るは622号室と従業員室だ。
従業員室のドアには鍵が掛かっていない。
そっと開けて入ると人の声..いや、従業員室のTVから流れる事件を報道するキャスターの声だ。
ここは空だ。

エレメントを率いて最後の客室、622号室へと向かう。
ドアには鍵が...誰か居るはずだ。
ピッキングツールを使って静かに鍵を解除。ドアを開け室内へ。
クローゼットは空。洗面室はドアが開いて電気が点いているが空だ。

室内の奥は無人に見えるが慎重に室内をチェックする。
居た!ベッドの脇の壁の陰に軍用ボディアーマーの肩が見える。
『警察だ!武器を捨てて膝を付け!』

『判った。投降するから撃たないでくれ』
容疑者はM4A1を捨て両手を上げて膝を付く。
後ろ手に手錠を掛けて拘束する。

『エントリーチームより本部へ。最後の客室で容疑者を確保した。任務完了』
『本部よりエントリーチームへ。良くやった。帰還してくれ』

『了解。みんな。今日はキツイ任務だったな』
『リーダー。顔色が悪いようですが大丈夫ですか?』

大丈夫。大丈夫...あれ?俺が手に持っているのは...

再びあの超小型核爆弾の幻覚が俺を襲った。

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 Movie   Old Granite Hotel 人質篭城事件

 Photo   SWAT仕様 Kimber製TLEII

 Photo   SWAT仕様 Kimber製TLEII その2

 Photo   Kimber製 TLEIIとPoliceBadge

 Photo   SWAT仕様 M4A1

 Photo

  SWAT仕様 M4A1 その 2


 Photo   SWAT仕様 M4A1 その 3

 Photo   SWAT仕様 M4A1 その 4

 Photo   SWAT仕様 M4A1 その 5

 Photo   SWAT仕様 M4A1 その 4

 Photo   シエラ2のSWAT仕様 SPR/A

 Photo   シエラ2のSWAT仕様 SPR/A その2

 Photo   軍用ボディアーマーで完全武装の容疑者

 Photo   ACOGスコープのレティクル

 Photo   容疑者のガバメント

 Photo   Shootingに使用したTarget

 Photo   Shootingに使用したTarget