Inerk's story 02 "The start of S.W.A.T. duty"

【前回までのあらすじ】
日系米国人のイナークは米国陸軍レンジャー、デルタ部隊勤務を経て、NATOの特殊作戦部隊Rainbowに従事していた。
テロリスト達との殺伐した闘い、殺し合いの日々に疲れた彼はRainbow部隊の退役を希望。
クラーク准将の計らいで新米のSPとして新たな人生を歩み始めたが、最初の任務で超小型核爆弾テロの洗礼を受け、護衛対象の判事を守る事に失敗する。
任務失敗のスケープゴートとされたイナークだったが、過去の経歴を買われて市警のS.W.A.T勤務へ配置換えになった。




俺の名はイナーク。新米の市警のSWATだ。
SPの最初の任務で判事の護衛に失敗して配置換えになった。
いったいどこの誰ならチョコレートバーに偽装された爆弾を見抜けるのかと抗議したが、新米のSPの俺はスケープゴートにはうってつけだった。

念願だった要人警護のSPから、凶悪都市犯罪課を支援するSWATへの異動は不本意だったが、そんな俺を暖かく迎えてくれたSWATチームの皆には感謝している。
SWATでの日々の訓練はSPの訓練より正直厳しかったが、どうにか一人前になれたような気がする。

そんな俺の所属するSWATチームに出動命令が下った。
市警では3チームのSWATが交代で待機しているのだが、今夜はすでに1チームが出動している為、予備待機していた俺の所属チームが緊急出動となった。

状況は武装した容疑者による人質篭城事件だ。
何気ないルーチンワークをこなしていた市警のパトロールが偶然にも武器取引の現場に出くわしてしまったらしい。
2名の容疑者は取引の商品だったボディアーマーとAK自動小銃で完全武装して廃ビルに立て篭もり、逃げ遅れたドジな武器業者を人質にしている。
ご丁寧にフェイスシールド付きのフリッツヘルメットまで装備しているそうだ。

映画とは似ても似つかないチンケなSWATバンで現場に到着。
隊長を含めて6名のチームが2名ずつのエレメントとなって建物を包囲する。
廃ビルの周囲は悪ガキどもに街灯を壊されて薄暗い瓦礫の山だ。

『こちらブルー。隊長。ビルの3−4コーナーを確保しました』

相棒であり先輩のクリスが報告する。
新米の俺を気遣ってか、俺のエレメントは建物の裏側に面する位置に展開した。

市警の交渉チームがメガホンで呼び掛けるが応答が無い。
隊長の指示でレッドエレメントがThrowPhoneを建物の入り口前に放り投げるが、狙撃を恐れてか電話機を取りに出てくる様子はないようだ。

人質になっている男も武器密輸の犯罪者で、ある意味同じ穴のムジナだ。
持久戦に持ち込んで投降を待つのが得策だろう。
しかし、我々は立て篭もっている容疑者の一人がモーリスシンジケートの武闘派の幹部だとは夢にも思わなかった。
シンジケートの部下達が救援に現れたのだ。

市警のパトカーの包囲網を強引に突き破って、軍用ハンビートラックの民生版ハマーがレッドエレメントが待機する廃ビルの正面、1−2コーナーへ突っ込んできた。

元々ゴツイ車体を鉄板で防弾強化して手軽な装甲車と化したハマーには銃眼が設けられており、AK自動小銃のFMJ弾が乱射される。

『こちらレッド!こいつはちょっとした戦争です。発砲許可を!!』

『こちら隊長だ。発砲を許可する!!』

シンジケートのAK自動小銃とSWATレッドエレメントのM4A1が激しい銃撃戦を開始する。

『こちらレッド!ブルーとグリーンもこっちに廻して下さい!』

さすがの古参のレッドエレメントも悲鳴を上げる。

『こちらグリーン!援護に向かう!』

『了解!ブルーも1−2コーナーへ向かう!』

相棒のクリスが無線で応答し、俺と共に移動を開始したその時、廃ビルの裏口から容疑者2名が人質を挟んで現れた。

『こちらブルー!容疑者と人質を確認!正面の奴らは陽動です!』

『了解!正面の奴らはレッドとグリーンで対応しろ!ブルーは容疑者を制圧!
 射殺しても構わん。容疑者は完全武装でヘッドショットもあてにならんからボ
  ディに FMJ弾をたらふく喰らわせてやれ!』

いつもは冷静な隊長も、今夜ばかりは興奮した金切り声で指示を出す。

『イナーク。俺が先行して一応投降を呼びかける。お前は20m後方からカバーしてくれ。
 射撃の際は俺が左、お前が右の容疑者だ。人質に当てるなよ!』

クリスが素早く前進し、約45mの距離まで接近してM4A1のタクティカルライトを点灯して叫ぶ。

『SWATだ!銃を捨てて投降しろ!』


容疑者はそれには応えずAK自動小銃をクリスに向けようと動く。
俺とクリスのM4A1がすかさず2名の容疑者それぞれに向けて5.56mmFMJ弾を吐き出す。

ACOGスコープのトリチウムで発光するレティクルは容疑者のボディ中央を正確に捉え、容疑者が昏倒するまで指切りバーストで5.56mm弾を叩き込んだ。

2名の容疑者は崩れ折れ、人質は地面にへたり込んでいる。

『間抜けな武器業者野郎!ちょっとでも動いたらお前も蜂の巣だぞ!』

人質とはいえ犯罪者だ。クリスと俺は人質に照準を合わせながら昏倒した容疑者2名に接近し、容疑者2名が戦闘不能の状態である事を確認する。

人質に両腕を後ろに回させてタイラップで拘束する。

『こちらブルー。容疑者2名を倒しました。1名は息があります。救急チームをよこして下さい。
 人質は確保しました』

『よくやったブルー。正面の連中もレッドとグリーンが制圧した。あのハマーはちょっとした
 装甲車だった。ウチにも一台欲しい位だ』


いつもの冷静な声に戻った隊長が無線で応答する。

親指を立てて見せる相棒のクリスに俺も親指を立てて返す。

俺のSPとしての夢は絶たれてしまったが、SWATの生活も悪くなさそうだ。
そう。悪くないな。

息の無い方の容疑者の体を裏返す。グローインプロテクターの下に何か...

それは見覚えがあるカウントダウン中の超小型核爆弾だった...

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 Photo   Kimber製 TLEII

 Photo   Kimber製 TLEII その2

 Photo   Kimber製 TLEIIとPoliceBadge

 Photo   SWAT仕様 M4A1

 Photo   SWAT仕様 M4A1その2

 Photo   SWAT仕様 M4A1その3

 Photo   SWAT仕様 M4A1その4

 Photo   SWAT仕様 M4A1その5

 Photo   人質を間に挟んだ容疑者2名

 Photo   ACOGスコープのレティクル

 Photo   昏倒した2名の容疑者と人質

 Photo   SWATベスト背面パッチI

 Photo   Shootingに使用したTarget