Eagle-One's story 18 "The Little Hit Man" UPDATE!

【あらすじ】
ガルシアを保護するセーフハウスは、マンシュタイン率いる傭兵部隊とミルズファミリーの兵隊達の襲撃に晒されるが、イーグルユニットは辛くも彼を守り切る。
まさに戦場のような銃撃戦の後、イーグルワンは内務監査の調査対象となった。
調査が終了し、ようやく一息付いた彼を大きな試練が襲う。





市警の内務監査でしばらく拘禁されていた俺は、
久々に家に戻った。
まったくついてない。まぁ、それなりにやりすぎていたから何もいえないが。

掃除も碌にしちゃいないが、まぁ落ち着く場所だ。
シガーを取り出し、火をつける。
ハンクスはまた教官として、ハウスに出張していた。
S.W.A.T.でも立ち上げるつもりなんだろうか?
貧乏市警だが、こうも事件が続くと予算が付くかも知れない。

署ではいまも非常線を張り、逃走している奴等を囲い込もうとしていた。
俺は、減給処分でこうしてる。
まぁ、たまには骨休めもいいだろう。
賞金が取り下げられてからは、ずいぶんと過ごしやすくなっていた。
開けた場所を歩くのにも、気を使わなくてよかった。

ニュースペーパーを買って帰る道すがら、空を見上げる。
給料分の仕事はしてるだろう。まぁ贔屓目にみて。
なら、いい。後に続く気になる奴がいるように、せいぜい働くとしよう。

パンッ

乾いた音。反転する景色。しまった・・・しくじった。
腰からP99が反射で左手に収まっている。
音の方向、気配は動いていない。倒れたままそちらをポイントする。

「・・・子供じゃないか」

パンッ

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ゴーン・・・ゴーン・・・

教会の鐘が鳴っている。粛々と進む葬列。
あまり病院の窓から見る風景としては、いただけない。

「調子はどう?イーグルワン」
『・・・タバコもってないか?』
「私は吸わないわ。そしてここは病院なの。死にかけた自覚は?」

あの日、子供のヒットマンの襲撃に会った俺は運良く警邏の市警に助けられていた。
かつて、チーフスリボルバーを手に正義を説いた警官だった。
その正義に感謝だ。授業料は確かに振り込まれた。
その後、俺は瀕死の重傷で生死の境を彷徨ったそうだが今こうしてる。
神様はよほど俺が嫌いらしい。

『さぁな。今はこうしてる。現場はどうなってるかな』
「・・・もう滅茶苦茶になってるわ」
『・・・まずいのか?』
「ええ。ハンクスとケンがね」

市警の管轄は西をハンクスが代行するイーグルワンユニットが。
東をケン率いるクレイジーケンバンドが暴虐の限りを尽くしていた。

些細な、もう言い掛かりと言っていい「嫌疑」を吹っ掛け、端から組織構成員を誰彼構わずしょっ引いていた。
混迷の組織範図に、報復に出た市警。
闇の社会は、俺どころではないらしい。

「署内は弁護士と容疑者でひっきりなしよ。監査は何もいってないわ」
『そいつは素敵だ』
「・・・まぁ、弱音の一つも聞きたかったけれど、大丈夫そうね」

パッチョはむずかったが、学校に戻らせた。
俺が死ぬ訳がない。リードマン中尉は、ナイフを筋肉で止めるという。
そこまではいかないが、俺も体はまだまだ衰えさせたつもりはない。
中尉の地獄のキャンプは、ビリーザブートキャンプよりもしんどかった。

『退屈で死にそうさ』
「たまの休みよ。ゆっくりなさい」

実際、もうダメだという見解だった。持ち直したのは奇跡だったといっていい。
そして、子供のアサシン。ミルズは確信を得ているだろう。
だが、イーグルワンはきっとまた同じ手にはまる。彼には子供を撃てない。

「林檎を剥いてあげる」
『うさぎさんにしてくれ』

思わず噴出しながら、望みどおりに切り結んでいく。
市警は今日もマスコミの行き過ぎのバッシングをモノともせず、検挙を上げているだろう。
私は子供でも、躊躇しない。この男ができない事をする。それがチームだ。
この男がしないのは、それがこの男らしいから気にしない。
一つくらい、信じるにたるものがあったっていい。

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「イーグルも飛べなきゃただのニワトリだね」

『・・・ここはケンタッキーじゃない。骨休めさ』

警護が付いた警察病院の個室。くぐるや否や悪態をつく男に、俺は返答した。ビル。底が知れない市警の一人だ。
そして、それだけの活動を許容された市警の一人。

「随分間抜けな仕業にあったね。どう?加減は」

『まあまあさ。たまにはこんな事もある。わざわざどうしたんだ?』

何度か呑んだ事があった。底は知れないが、気があった。
こいつは市警として、正しい税金の使い方を知っている。

「最近のお前さんがいない現状についてさ。どうにかならないのか?」

『どうにも、といって納得はしないよな』

俺もジェニファーに言付を頼み、あまり無茶をしないよう言ったが効果の程はないらしい。まったく、どいつもこいつも俺のいう事なんか聞きゃしない。

「まぁなんだ。俺は俺でいろいろとやる事がある。その辺は理解してくれ。
なんだと聞くほど野暮じゃないよな、お前さんは」

『ああ、もう一度なんとかするよう言ってみる。奴等見舞いにも来ないんだ』

「聞こえて伝わるニュースが見舞いの品なんだろうさ」

憎めない顔でウィンクするビル。市警でも古参に入る。

「だが、重ねて頼むぜ。勢力図が塗り替えられて喜ぶ奴はあまりいない。安定って奴はいろいろと、なぁ。便利なんだ」

ビル。潜入捜査官になるにはもう名が知れているが、手練手管では俺など及ばない。
釘を刺された身としては、そろそろ報復という名の狩りをやめさせなければいけないだろう。

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退屈な入院生活。ふといろいろな事が頭をよぎる。

変わったカスタムガバで挑んできた風変わりな奴。
言葉を交わす間もなかったが、言葉もいらなかったような。
肩を撃っちまったが、どうしているだろうか。
今度、腰を据えて一杯やりたいと思う相手だった。

室内には、張大人やマダムから届いた見舞の花が飾られている。
どれも鉢植えだ。意図が見えてなんとも萎える。
しばらくはシケ込んでろ。そういう事らしい。

だが、ビルの件もある。俺が長逗留するとこの世は事もなし、とは
いかんらしい。隙を見て、さび付く前にいろいろとリハビリもして
おこう。担当医はそんな事をしやがったら拘束衣を着せるといっていた。

そんな気分じゃないんだが、以外と深手だったらしい。
中尉にしれたら事だ。まぁ、もうばれてるだろうが。この失態はまずい。

まったく、ついてない。まぁ、ヒットマンの子供は保護され施設に収容されている。
その子が引き金を引くことはもうない。

それでいいとしよう。もう銃を握るような事がないよう祈る。
俺を嫌って天に召さない神に?いやいや、どうしたもんか。
その子が、正しくまっとうな人生をおくれます様に。何に祈るかな・・・

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退屈な入院生活にリハビリの日々。
警護も万全な警察病院の一室だったが、見舞いに来たバーンズに密輸させたP226Rは枕の下に。
ジョニーウォーカーはクローゼットの中に。

ハンクスもケンも、ジェニファーが首に鈴をつけた。
とりあえず、ビルへの約束は果たせたようだ。

パッチョにも銃を携帯する許可を与えた。G26を。
万が一って事もある。寄宿舎つきの学校で、警備も万全だが俺のアキレスでもある。身を守る術を持ち、銃の使い方を知っている男に、間違いはないだろう。世話をかけるのが心苦しいが。

そういえば、中尉からも電報が届いていた。
恐ろしくて見てはいないが。まぁだいたい想像はつく。
もうそろそろ、現場に復帰できるだろう。あまり寝てもいられない。
勢力範図はずいぶんと変わりつつあるらしい。ミルズの台頭。

誰もが予想できた出来レース。少しばかり俺が、流れを変えてやろう。
思い通りにはさせない。
サトシの手引きで、下院議員が一人。市議員が三人、失脚した。
ミルズの勢いを阻害する動きはわずかだが、動き続けている。
税務監査で、更にミルズ関連の企業を締め上げるべくダディが動いている。
後は俺も続かなければ。まったく人使いが荒いが、仕方ない。

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医師曰く「人知を超えた回復」をレコードし
俺はリハビリを終え、退院した。

あまりのんびり寝てもいられないからだ。
仕事はたまっている。片付けなければならない問題も。

家はまた変わった。
もうカウントもしていないが、今回はそれなりのセーフハウスが用意された。
警護つきの警官。しまらない話だ。ハンクスも何故かついてきた。

そして署では不穏な話。ビルが行方不明だという。
本部長に動きがないという事は、本部長は了承しているという事なのだろうが・・・。
かの警官の最後がふとよぎる。警官として尊敬された人物だった。
正しい路を進んだ男だった。
モルグで彼の遺体に泣きつく子供を思い出すと、今も胸が痛む。
もう繰り返されてはならない。

傷が痛む。だが、気になるものでもない。動きに支障もない。
もう、繰り返してはならない。

多くの不祥事により、多くの仲間が死傷している。
もう、繰り返してはならない。
市警よ。俺は帰ってきた。さぁ、片付けていこう。
ワンサイドゲームだ。あくびがでるほどの。少しばかりの失点はすぐに巻き返す。

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復帰後、本部長のオフィスに顔を出した俺は、その足でキルハウス送りとなった。

問答無用。まったく手荒い歓迎だ。喜ばれていないのか。
腕が鈍ってないか確かめたいのか。

とにかくエントリーするしかないようだ。(手にはP99とP226R)
少し緊張しているようだ。何か裏がある。俺は勘を当てにする。

扉を開けて突入すると同時に、部屋の扉から人影。
子供の人形を抱いたジェニファーだった。顔にはいたずらっ子のような笑みが。
当然スルーして進む。どうやらこの調子らしい。

長い廊下を進んでいく。扉は三つ。一つづつクリアリングするのがセオリーだろうが、俺は先に進んでフロアに出た。
ソファの裏から起き上がる影。G36Cを持ったバーンズ。
はずれ役だったな。ペイント弾を喰らってバツが悪そうに手を上げる。

背後のドアが突如開きフロアに侵入する影。
気配を目当てに銃だけを向け、一発。・・・・ケン。お前もか。

とんだキルハウスだ。となると・・・カッティングパイのセオリーに立ち返り、無視した部屋を遡っていく。
まぁ、一筋縄ではいくまい。恐らく、ヨシュアに・・・ハンクス。
と、クローゼットから突然人が。気配がなかったっ?!

突きつけられた00ゲージの銃口を前に、手を上げる。

「鈍ったもんだなイーグルワン」
『本部長は予想外でした』

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用意されたセーフハウスで一息つく。
忙しい日々に追われ、銃のメンテナンスもままならない。
ただ、使う事は滅多になくなったのが救いか。

ひとつだけ。どうにもいけない事態があった。
市警として、税金の使い道としてそぐわない人物がいる。
ご辞退願うか。どうも立場を理解していないようだし。

正直、場は把握している。簡単な事だ。
俺か相手か取らせればいい。自負も込みでどっちが得かは首から上が帽子置きでなけりゃ、わかるだろう。
場の空気が悪くなるし、苦情が俺の元にも集まっている。
致し方ないが、俺は自分の生活を守る上に正しい金の使い方も考えねばならない。

命まで取るというんじゃない。運がなかった。それだけだ。
俺にまで事を構えたお前が、どんな勝算があったか。
試してみようじゃないか?
226Rは、滑らかな動きでハンマーを落とした。

 Photo Eagle-Oneの復帰を待つシェビー

 Photo   Eagle-OneのP99 

 Photo イーグルワンを病院へ見舞うジェニファー

 Photo  パッチョに携行させたGlock26

 Photo   ジェフ警部のショットガン