Eagle-One's story 15 "Merry Christmas"

【あらすじ】
イーグルワンは特捜部のチームメンバーとささやかなクリスマスパーティを過ごす。そこには年齢相応の子供らしい一面を見せたパッチョと彼に寄せるEagle-Oneの想いがあった。
イーグルワンは自分へのクリスマスプレゼントとして新しい銃を求めてマダム・アイリンの店を訪れる。




クリスマスに、ささやかながらパーティをしたら
パッチョはいたく感動していた。

ヨシュアの計らいだったが、歳相応の顔が見れるってのはいいもんだ。
30インチのケーキのほとんどをパッチョが平らげていた。

『なぁパッチョ。俺の養子になってみないか?』
「え?」

目を丸くするパッチョ。まぁ、無理もない。

『・・・学校に行けパッチョ。そして警察か軍に入れ。後は俺か中尉が
レールを曳いてやる』

「い、いいよ」
『いい訳ないだろう。このまま殺しを商売にする気か?』

いつもの気配が消え、不安な子供の顔になるパッチョ。
ハンクスもヨシュアも黙ってその様子を見ている。

『・・・お前は陽の当たる場所に出ていいんだ。正しい事を行え。
ダディに助けられたというなら、ダディの後に続こうぜ。悪くないだろ?』
「・・・う、うん。ありがとう」
『決まりだ。銃はしばらくはお預けだな』

生きていれば、同じくらいの歳になっていただろう。
9.11以来、止まっていた俺の時計がその時動き出した。
俺はプレゼントしたんじゃない。プレゼントをねだっていた様なものだった。

ハンクスはソファに深く腰掛け、グラスを持ち上げた。乾杯。
ヨシュアは満面の笑み(猛獣が牙を剥いているようにしか見えなかった)を浮かべた。
パッチョは照れて俯いていた。
泣いていた子供はもういない。生きる屍になった大人も、もういない。

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7番街、この街のメインストリートに位置する
銃砲店。「ゴージャス・アイリン」に俺は踏み入れた。

先日の暴動にもまったく動じなかったセキュリティ・ディフェンスは、
あの日とまったく同じ店内を今も客に提供している。

「支払いはカード?アメックスはゴールドかブラック以外はお断りよ」
「くそったれ!もうこねぇよっ」

先客が肩で風切って店を出て行く。まったく穏やかじゃない。

「あらイーグルワン。ごめんなさいね」
『ゴールドかブラック以外はお断り?』
「・・・さっきまではね。何かお探し?バレルがまた焼きついたのかしら」

このショップのマダム・アイリンは気まぐれだ。一見さんには銃を売らない。
気に入らない客にも銃を売らない
雨の日には、嫌いな客にしか銃を売らない。
父親は武器のバイヤーで、彼女は道楽でこの店を商っている。旦那は見た事がなかった。

「今日は雨だったかしらJOJO?」
「晴れています。マダム」
「ようこそイーグルワン。何でもいってちょうだい」
『やぁJOJO』

この店のバウンサーであるJOJO。無言で頷き返す。何故か行きつけの店が合う。
よく呑んだりしていた。

『新しい銃を用意したい』
「あら。貴方の腕は何本あるのかしら」

妖艶に微笑むマダム。俺の銃はすべてここで揃えていた。

「メイン?サブ?レッグのデリンジャーはこの前のかしら?」
『ああ。気に入ってる』

マダムは一目で銃を所持していれば、その種類まで当ててみせる。
俺のレッグにはディファイアント・デリンジャーがあった。

『フルサイズのオートを。P99のような』
「9mmパラね。45は使わないの?愚問かしら」
『45はどうも合わない。G.Iジョーにはなれないさ』
「オージーに合う銃なんかあったかしら」

肩をすくめる俺に、微笑むマダム。俺の経歴の秘匿レベルは高い。
署内のファイルをすべてひっくり返したって、俺の本名はおろか血液型すらわからない。
マダムはワイズマンと交友があると聞くが、さて。

「これはどう?」
『SIGか。どうしたんだ?』
「シールズとポーカーして勝ったの。その戦利品」

P226R。コマーシャル・モデルじゃない。マダムの話は話半分で流したとしても・・・

「・・・クレジットでもいいわよ?」
『・・・いや。キャッシュだ』

JOJOが口笛を吹いた。

「あん・・・この前の雨の日にね」
『聞きたくない類の話だな』

マダムはもじもじとハイスクールの少女のようにしている。

「JOJO」
「・・・マンシュタインに銃器を大量に売った」
『・・・聞かなかったことにしていいかい?』

JOJOは黙って肩をすくめる。

「ごめんなさいね」
マダムは悪びれた風もない。フルオートを売っている証拠も掴んでいない以上、
俺は何もいえない。商いをどうこういえたものじゃない。

『今日も綺麗だよマダム』
「ありがとう♪」

マダムは気まぐれだ。明日の天気でまったく変わる。俺の明日もどうも
雲行きが怪しくなってきたようだが、こればっかりは仕方ない。

「そろそろUSPcのバレルは交換時期よ。ライフリング登録したバレルがあるわ」
『ありがとうマダム。ああ・・このP226Rは?』
「もう署に届けでてあるわ」

その届けの所有者は俺になっているんだろう。俺は掌で踊るマトリーショカだ。
『ワイズマンによろしく』
「ええ。元気でやってるわ」

女は強い。まともに立ち会って勝てるとは思えない。
さてさて。この情報はダディにも入れておくべきだろう。あのウォーモンガーはまだ
懲りていない。

 

 Photo ヨシュアが用意したX-masケーキ

 Photo 風貌に似合わず心優しきヨシュア

 Photo  G36カスタムを抱えるハンクス

 Photo  ゴージャス・アイリンの店内

 Photo  マダム・アイリン愛用の鞭

 Photo  JO JOのニンジャソード

 Photo  ディファイアント・デリンジャー

 Photo  Eagle-Oneが購入したP226R

 Photo  Eagle-OneのP226R その2

 Photo   Eagle-OneのP226R その3

 Photo   Eagle-OneのP226R その4