Eagle-One's story 09 "The Shooters"

【あらすじ】
傭兵集団との闘いに備え、市警は特捜部に新たな特殊作戦チームの編成を決定する。ハンクスとイーグルワンによって候補者達はテストされ鍛え上げられて行く。




署から随分と郊外。厳密には民家もない州境のはずれ。
そこにある警察官の養成所に俺とハンクスは出向いていた。

今回の一件で、上層部はシューターの育成を決定した。
S.W.A.Tも満足に維持できない貧乏な俺たちの署にあっては、有事の際に
困るという現状が露呈した訳だ。
俺たちは本来は「潜入捜査官」な訳なんだが・・・。今回の独断専行のツケ払いと
いう訳だ。ついてない。

署から選抜されたシューター候補生は7人。
俺は椅子に座り、教官はハンクスが買ってでていた。
みんなまだ若い。理想に燃えているのは結構だが、交通課だって立派な仕事だ。
銃を握って危険な橋を渡りたがる事もなかろうにと思う。

とりあえずマンターゲットへの射的。こんなもので何も計れないのはハンクスも
承知の上だ。棒立ちで的を狙って撃てる状況はまずない。
だが、とりあえずの実力を測るにはいいだろう。俺はあくびをかみ殺していた。

「よーし。判ったもういい」
ハンクスは半ばで中止させた。的にはみんな集中して当てている。
たいしたもんだ(慣らしでプロターゲットにパンパンと射的)

「この中で、人を撃った事のある奴は?」
一人だけが手を上げた。6人はうつむく。

「状況は?」
「はい。相手はドラッグでラリッていて、ストリート…7番通で刃物を持ち暴れて…」
「当たったか?」
「はい。胸に一発当たりました」

胸か。腕か足で良かったという話だ。シューターは当てりゃいいというものじゃない。
黙って頷くハンクスの胸のうちは、こんなところだろう。

「よし。実技に移る。イーグルワン、インドアフィールドでこいつらの相手をしてやれ」
『・・・俺が?』

話が違う。コイントスで決めようといった俺に、ハンクスは俺がやるといったんだ。

「みんな聞け。これからペイント弾で模擬戦を行う。イーグルワンに当てたら
候補に推薦してやる」

俄然色めき立つ候補生たち。もう勝った気でいる顔もちらほらある。
俺もハンクスも名を伏せてある。ハンクスはともかく、後ろでぼーっと座ってる俺は
いい的に思われたんだろう。いやはや、ついてない。

「インドアではイーグルワンを凶悪犯とするチームアタックを行え」
「リーダーは?急造ではサインも・・・」
「お前がやれ。サインは簡単なものを決めていい」

俺は椅子に腰掛けたまま、天を仰いでいた。
後に続く者を鍛えるのも、先達の務めか。

候補者チームは、ハンドガンサブマシンガンをそれぞれ選び、
配置についた。俺はP99(当然弾はペイント弾だ)を持った。

「始めっ」

合図と共に、突入を開始する(部屋があるので、壁に隠れてミラーで隣りの部屋を覗く)
候補生たち(そんな気分でスタイヤーを手に部屋をうろうろw)

・・・バタバタとこんな狭いフィールドで音を立てたら、丸判りだ。
スニーカーを履いてきたのは褒めてやってもいい。だが、足運びが台無しにしていた。
挨拶にいくか。窓越しに体を晒す。
有無をいわずに一斉射する候補生。当たらない。それじゃ無駄弾を撃つだけだ。
(隣りの部屋にスタイヤーをフルでぶっ放す。気持ちいいw)
続けざまに弾が打ち込まれてくる。連携以前の問題だ。

二手に分かれたらしい。音も静かになった。
では、教育してやるとしよう。

抜きざま身を翻し射撃(部屋の壁から飛び出し配置した空き缶2つに射撃。HIT)
そのまま隣りの部屋に入り何も出来ないマンターゲットに射撃(プロターゲットにHIT)
飛び交う弾を避けるため壁に隠れ一拍、飛びだして火線を辿り射撃(プロターゲット2つにHIT)

ペイント弾を喰らった奴らは呆然としていたが、そのまま沈黙。
残る二人も、殺気と怯えが丸わかりだった。
『おーい。もう辞めにしてもいいんだぞ?』
「ふっ・・ふざけるな」

ババンッ 
声で漠然とした位置が丸わかりだった。ジ・エンド。

あと一人。おもしろい動きをしている奴だ。
仲間が瞬時にやられる中、こちらの動きに合わせ火線を
よけて付いてきている。

動きも他の面々よりはずっといい。
だが気に入らんな。仲間が撃たれるままにしていたのか。
バババンッ
『おっと』

いつの間にか左に回りこんでいたらしい。俺が左で銃を持っていたからか?
かわして壁際に入る。銃は右手に。

気配は消えていた。まあまあやる。だが相手も俺はわからない。

ジャリ

響く音はデコイだ。俺はその音のした方向の隣り部屋に走った。
勘・・・だな。壁際から背を向け、音をした部屋に注意を向ける背中を見つけた。
ビンゴ。
バンッ


「もう少し遊ばせてやったらどうだ」
『知らなかった。ここはいつからアトラクションパークになったんだ?』

肩をすくめるハンクス。俺に教官は向いてない。知ってたはずたろ?
こんな職業はなくなればいい。それが俺の望みだ。

『・・・最後のあいつ、あいつはなんだ?』
「ロスのS.W.A.Tにいたらしい。いろいろあってここに流れ着いたんだ。
こいつが推薦状だ」

一枚の紙切れ。手に取ると懐かしい名前。イナーク、勘弁してくれ。

『オーケイ。あいつはある意味シューターには向いてる。推挙はしないがな』
「そういうと思った。俺だったらもっと恥をかかせていた」

肩をすくめる。誰が教官に向いていないって?俺は優しすぎるって事か?
俺たちは二人、目を合わせて肩をすくめた。
これならパッチョを推挙したほうが、税金の使い方としちゃ正しい。

バーンズ。奴は仲間をダシに俺を探し、しとめようとした。
たいしたタマだが、俺は気に入らん。だが、シューターとして使えそうなのは
こいつだけだった。

 Photo   候補生が選んだハンドガンSW1911

 Photo   候補生が選んだSteyr

 Photo   Eagle-OneのP99

 Photo  バーンズのインフィニティ